月面探査 トヨタ参画で官民連携強化を

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 日本の宇宙開発を高度化するには、民間企業との連携強化が重要だ。その弾みとなるか。

 宇宙航空研究開発機構(JAXA)とトヨタ自動車が月面探査車の開発構想を発表した。トヨタは、燃料電池車を基本に、安定走行などの技術を駆使して、人が長期滞在できる探査車の製作に取り組む。

 JAXAは、月の環境データなどを提供して支援する。2030年代に月面を走らせるという。

 極限状態に耐え得る探査車の開発に挑むことで、トヨタは、自社の技術を底上げできる。予算に制約があるJAXAは、高い技術を保有する企業の力を活用して、宇宙探査技術を引き上げられる。

 両者とも、こうしたメリットを踏まえた上での連携だろう。日本を代表する企業の参画を、官民連携拡大の呼び水としたい。

 宇宙分野では、国際的に民間の参入が活発だ。企業の技術を使えば、ロケットや宇宙船の開発が加速する。コストも削減できる。

 米国では、国際宇宙ステーション(ISS)との往還用有人宇宙船の開発が民間主導で進む。今月、ドッキングや地球への帰還に成功した。イスラエルの民間団体も月探査機を打ち上げた。

 JAXAも近年、ISSなどで民間との連携を図ってきた。徐々に認知されてきたが、探査技術で協力が実現したのは、観測機器や宇宙観測データの活用など、一部の分野にとどまっている。

 共同で開発する利点を伝えきれていないのではないか。

 JAXAとの研究連携は、企業がモーターやセンサーなどの試作品を、ロケットや探査機で実証するチャンスだ。企業は基本的に、成果を自らのものとして活用できる。JAXAによる利用は宇宙開発の分野に限られる。

 中でも月面は、挑戦の格好の舞台だ。中国など複数の国が野心的な探査目標を掲げている。

 日本も、小惑星探査機「はやぶさ2」のピンポイント着陸技術を応用した月面無人探査機「SLIM」を送り込む予定だ。

 米国が主導する月上空の有人宇宙基地建設計画も具体化しつつある。米航空宇宙局(NASA)は、ISS参加国に協力を呼びかけている。新たな予算教書には、20年代半ばの実現を目指して基地の電源系の開発費が盛り込まれた。

 日本も、居住棟建設や無人補給船による物資輸送を分担する意向を示している。巨額の費用と高度な技術を要するだけに、この分野でも民間との連携は不可欠だ。

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488174 0 社説 2019/03/14 05:00:00 2019/03/14 05:00:00

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