サイバー攻撃 官民の連携で防御態勢を築け

無断転載禁止
メモ入力
-最大400文字まで

完了しました

 サイバー攻撃の深刻な脅威から、社会や経済のシステムを守る必要がある。政府は態勢構築を急がねばならない。

 インターネット空間で中央省庁や自治体、民間企業は激しい攻撃にさらされている。

 2017年には、ランサム(身代金)ウェアと呼ばれるウイルスが世界中に広がり、日本でも病院や鉄道、銀行、大手企業が一時的な操業停止などの被害に遭った。政府機関への攻撃は年間700万件に達している。

 政府は近く、国と自治体、電力、鉄道、空港などの重要インフラ事業者でつくるサイバーセキュリティ協議会を設置する。サイバー攻撃の情報を官民で幅広く共有する初の試みである。

 参加者に守秘義務を課し、被害を受けた企業が、攻撃された手口を明らかにしやすいようにする。同様の手法による被害の拡大を防ぐことにつながろう。

 政府や企業が攻撃を探知した場合、即時に警戒情報を発出し、共有するシステムも検討する。多様な機関が相互に連携し、適切な措置を講じる意義は大きい。

 司令塔となる内閣サイバーセキュリティセンターは、欧米各国との情報交換などに基づく知見を企業に提供し、対策作りを主導しなければならない。

 様々なモノとインターネットがつながるIoTが普及し、身近な機器が情報窃取に悪用されかねないことにも留意が要る。

 政府は19年度から、情報通信機器の調達について、安全保障を考慮した契約方法に改める。不正行為への関与が疑われる中国企業の機器を排除する狙いがある。

 重要インフラの事業者に対し、安保上の懸念がある企業の部品を使用しないよう促す方針だ。サイバー攻撃で通信や金融の機能がまひすれば、影響は計り知れない。政府の対応は妥当だろう。

 6月には主要20か国・地域(G20)首脳会議、9月にはラグビー・ワールドカップ(W杯)、来年は東京五輪と大きな催しが続く。関係機関が協力し、円滑な運営を目指さねばならない。

 自衛隊の情報通信網の強化も急務だ。専門人材の育成、確保に努めるとともに、同盟国である米国とサイバー空間でも協力し合える環境を整える必要がある。

 防衛省は、エストニアにある北大西洋条約機構(NATO)サイバー防衛協力センターに職員を派遣した。サイバー空間の国際ルールの策定に向け、日本は主体的な役割を果たすべきだ。

494192 0 社説 2019/03/18 05:00:00 2019/03/18 05:00:00

おすすめ記事

アクセスランキング

読売IDのご登録でもっと便利に

一般会員登録はこちら(無料)
ページTOP
読売新聞社の運営するサイト
ヨミダス歴史館
ヨミドクター
発言小町
OTEKOMACHI
元気ニッポン!
未来貢献プロジェクト
The Japan News
美術展ナビ
教育ネットワーク
活字・文化プロジェクト
よみうり報知写真館
読売新聞社からのお知らせ