公示地価 持続的上昇で経済の安定化を

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 地価の回復基調がより鮮明になってきた。緩やかな地価上昇が続く環境を整え、経済の安定的な成長につなげたい。

 国土交通省が発表した1月1日時点の公示地価は、全用途の全国平均が4年連続で値上がりした。東京、大阪、名古屋の3大都市圏で、住宅地、商業地とも上昇率が前年より拡大した。

 住宅地は、地方圏の平均が27年ぶりに上昇に転じ、地価回復の広がりを印象付けた。雇用・所得の改善や、低金利による住宅需要の拡大が追い風となった。

 一方、商業地は、都市部の旺盛なオフィス需要が地価を押し上げた。優秀な人材を集めるため、より広く、働きやすいオフィスに移転する企業が相次いでいるという。オフィスビルの空室率は低下し、賃料が上がっている。

 企業活動が活発化しているのは明るい材料だ。持続的な動きにすることが大切である。

 訪日外国人客の増加による影響も目立つ。住宅地、商業地とも上昇率トップは、外国人に人気のスキーリゾート・ニセコを抱える北海道倶知安町だった。

 ホテルや別荘向けだけでなく、リゾート施設の従業員宿舎用の土地需要も増えた。波及効果の大きさを物語る。観光客でにぎわう京都や大阪、沖縄も上昇率の上位地点に顔を並べた。

 継続して訪日客を呼び込むためには、官民が一体となった努力が必要となる。魅力あるホテルや商業施設の整備、観光資源の有効活用が求められる。

 地価が全国で最も高い東京都中央区の「山野楽器銀座本店」は、上昇率が昨年の9%台から3%台に縮小した。「ミニバブル」といわれるほどの高騰に、鈍化傾向が出始めたといえよう。

 とはいえ、東京都心の地価はなお上昇が続く。大規模な金融緩和を背景とした局地的なバブルに、引き続き警戒を要する。

 地方間格差も課題だ。札幌、仙台、広島、福岡の主要な「地方4市」は、3大都市圏を上回る上昇率を記録したが、その他の地方では下落した地点が少なくない。

 今後も地方の人口は減少が予想される。公共サービスや交通といった社会基盤の維持さえ難しくなりかねない。市街地の範囲を限定した、コンパクトな街づくりを進めていくべきだろう。

 昨年の西日本豪雨や北海道地震の被災地では、地価が大きく下落した。大災害は地域経済に打撃となる。そうした観点からも防災力を強化しなければならない。

498619 0 社説 2019/03/20 05:00:00 2019/03/20 05:00:00

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