竹田JOC会長 退任の決断はやむを得ない

無断転載禁止
メモ入力
-最大400文字まで

完了しました

 東京五輪を1年余り後に控えながら、日本オリンピック委員会(JOC)のトップとしての職責を果たせなくなっていた。退任はやむを得まい。

 JOCの竹田恒和会長が、退任の意向を表明した。6月の任期満了で、17年以上にわたり務めた会長職を退く。役員の定年規程を理由にしているが、実際は、五輪招致を巡る疑惑で混乱を招いた責任を取ったと言えよう。

 仏検察当局が贈賄疑惑を捜査する中、国際オリンピック委員会(IOC)からも進退を問われていた。この時期にIOCとJOCの関係悪化は避けねばならない。退任しか選択肢はなかった。

 馬術の五輪選手だった竹田氏は2001年、JOC会長に就任した。12年にはIOC委員に選ばれ、東京五輪招致委員会では理事長として「招致の顔」となった。

 英語が堪能な竹田氏は、各国のIOC委員に支持を呼びかけ、東京開催を実現に導いた。国際的な人脈は、日本のスポーツ界にとって欠かせないものだった。

 招致の過程で、コンサルタント会社に支払った2億円余りが、買収に使われた疑惑が浮上した。

 仏検察当局は、裁判に向けた予審手続きに入った。東京五輪を前に、JOCの現職会長が起訴されれば、大会のイメージダウンは不可避だ。竹田氏はIOCの会議にも出席できない状況だった。

 疑惑について、竹田氏は「ロビー活動費であり、契約や支払いは適正な監査を受けた」と、一貫して正当性を主張している。

 しかし、記者会見で質疑を拒んだため、不信感を増幅させたことは否めない。退任表明では、「潔白の証明に努力する」と述べた。その言葉通り、きちんと説明責任を果たしてもらいたい。

 JOCは、1980年モスクワ五輪のボイコットを契機に、政治からスポーツを切り離そうと、日本体育協会の内部組織から独立した。スポーツ界の自律を目指すという理念は理解できるが、実現には程遠いのが現状だ。

 スポーツ界では、パワハラや不正経理などの不祥事が相次ぐ。JOC会長として、競技団体を統括すべき竹田氏の指導力が不十分だったと言わざるを得ない。

 スポーツ庁は、競技団体のガバナンス(組織統治)コードを策定する。素案には、役員の年齢や再任回数の制限を盛り込んだ。

 選手が競技に集中できる環境整備が大切だ。JOCには、新会長の下で、統括団体としての責務を果たすことが求められる。

500373 0 社説 2019/03/21 05:00:00 2019/03/21 05:00:00

アクセスランキング

読売IDのご登録でもっと便利に

一般会員登録はこちら(無料)
ページTOP
読売新聞社の運営するサイト
ヨミダス歴史館
ヨミドクター
発言小町
OTEKOMACHI
元気ニッポン!
未来貢献プロジェクト
The Japan News
美術展ナビ
教育ネットワーク
活字・文化プロジェクト
よみうり報知写真館
読売新聞社からのお知らせ