公文書電子管理 効率的かつ適正な運用を図れ

無断転載禁止
メモ入力
-最大400文字まで

完了しました

 デジタル化の進展にあわせ、公文書を効率的かつ適正に管理する仕組みを整えねばならない。

 行政文書の作成から保存、公文書館への移管までを一貫して電子的に管理する。政府の公文書管理委員会がこうした基本方針案をまとめた。今月中に正式決定する。

 新たに作成する文書は、電子媒体が正本・原本となる。紙による保存を原則としていた従来の管理手法を転換するものだ。

 サーバーなどで文書を一括管理するため、検索が容易になり、関係部署間で共有することも可能だ。分散して保管すれば、災害時の喪失を避けられる。

 各省庁が作成する文書は現在、9割以上が紙に印刷して保存されており、保管場所の確保や運搬、廃棄が重荷になっていた。

 国立公文書館は手狭になっており、政府は、新たな公文書館を2026年度に開設する。これに合わせて、電子管理のシステムを本格的に導入する方針だ。

 円滑な導入に向けて、システムを構築し、業務の手順などを詰める必要がある。電子媒体での保存や整理にも順次着手したい。

 新制度の導入に際し、長期保存に適した機器を選ぶことが欠かせない。サイバー攻撃による情報漏えいへの対策も課題となろう。

 職員による不正を防止する手立てを講じることも重要だ。

 基本方針案によると、保存された文書を修正、削除できる職員を限定し、単独では修正できない仕組みを導入するとしている。閲覧や修正の履歴なども把握する。妥当な措置と言えよう。

 政策決定過程の検証に不可欠な公用メールの扱いも検討課題だ。政府は当面、一定期間後に自動削除するシステムの使用を禁止するという。今後、膨大なメールの中から、保存対象を選別する基準などを検討すべきである。

 近年、公文書の扱いを巡る不祥事が相次いでいる。財務省は、学校法人「森友学園」の取引に関する決裁文書を改ざんした。存在しないとしていた陸上自衛隊のイラク日報は後に発見された。

 こうしたずさんな対応は、国民の行政への信頼を損ない、政策遂行に支障をきたしかねない。

 態勢強化の一環として、各府省は4月から「公文書監理官」を配置する。業務ごとの慣行にとらわれず、ルールに基づく適正な運用に努めなければならない。

 研修などを通じて実務を習熟させるとともに、公務員倫理の順守を徹底することが大切だ。

505410 0 社説 2019/03/25 05:00:00 2019/03/25 05:00:00

アクセスランキング

読売IDのご登録でもっと便利に

一般会員登録はこちら(無料)
ページTOP
読売新聞社の運営するサイト
ヨミダス歴史館
ヨミドクター
発言小町
OTEKOMACHI
元気ニッポン!
未来貢献プロジェクト
The Japan News
美術展ナビ
教育ネットワーク
活字・文化プロジェクト
よみうり報知写真館
読売新聞社からのお知らせ