普天間飛行場 危険性除去へ粘り強く対話を

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 米軍普天間飛行場(沖縄県宜野湾市)の移設実現までには、なお長い時間を要しよう。政府は計画の意義を粘り強く訴えていかねばならない。

 普天間飛行場の名護市辺野古への移設に向けて、防衛省が新たに南側海域の「第2区画」(33ヘクタール)で土砂の投入を始めた。

 昨年末に着工した第1区画を含めると、全160ヘクタールの埋め立て予定海域の4分の1に相当する。周囲の安全や環境に配慮し、粛々と作業を進めることが大切だ。

 普天間飛行場は、米海兵隊の重要な活動拠点である。様々な危機に機動的に対処できる米軍部隊は、アジア太平洋地域の安定にとって欠かせない存在だ。

 一方で、学校や住宅地に囲まれた普天間の現状を放置することは許されない。事故の恐れがあり、騒音被害も大きい。米軍の抑止力を維持しつつ、危険性を除去することが肝要である。

 比較的人口の少ない県北部にある米軍キャンプ・シュワブを拡張し、代替施設を建設する計画は、現実的な選択肢と言える。

 玉城デニー県知事は、安倍首相との今年2回目の会談で工事中止を改めて訴えた。首相は移設への理解を求め、平行線を辿たどった。

 知事は、日米両政府に県を加えた3者で、基地負担軽減について協議する場の設置も要求する。

 安全保障政策は本来、政府が国際情勢などを総合的に勘案して進めるべきものだ。基地問題も、県の意見をみながら、国が責任を持って対処する必要がある。

 移設に向けた今後の埋め立て工事は、曲折が予想される。

 辺野古の北部海域には軟弱地盤があり、改良工事に3年8か月かかる。最大70メートルの深さの海底に、7万7000本のくいを打ち込む追加工事である。日米両政府が目指す「早ければ2022年度」の普天間返還は厳しくなった。

 政府は、設計変更を県に申請する方針だが、県は認めない構えを取る。対決姿勢を崩さない県とどう向き合い、移設計画を実現していくのか。政府は、中長期の戦略を練らなければならない。

 県は、辺野古移設を巡る新たな訴訟に踏み切った。埋め立て承認撤回の効力を国土交通相が一時停止したことを不服とし、福岡高裁那覇支部に提訴した。昨年就任した玉城氏の下では初めてだ。

 訴訟で政府に対抗するだけでは、問題は解決しまい。県政のトップとして、玉城氏は政府と真摯しんしに協議し、現実的な解決策を見いだす努力を重ねるべきである。

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506953 0 社説 2019/03/26 05:00:00 2019/03/26 05:00:00

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