ボーイング事故 航空機市場の寡占が心配だ

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 同じ型の航空機の相次ぐ墜落事故が、世界に波紋を広げている。

 米航空機大手ボーイングの小型旅客機「737MAX」が昨年10月、インドネシア・ジャカルタ沖で墜落事故を起こした。今月10日にはエチオピアでも墜落し、多くの命が失われた。二つの事故には類似点があるという。

 欧州連合(EU)や中国、インドなどに運航停止の動きが広がった。当初、ボーイングは「安全性に絶対の自信を持っている」との声明を出した。米連邦航空局(FAA)の対応は遅れたが、結局、運航を止めざるを得なかった。

 航空機にとって、何より重要な安全性に疑念が生じた以上、運航の見合わせは当然である。ボーイングの安全管理は十分だったのか。事故原因の究明とともに、徹底的な検証が必要だ。

 FAAの認証手続きの妥当性についても、米運輸省による調査が進められている。運航を受け入れる各国が、独自の検査体制を強化することも検討課題になろう。

 737MAXはボーイングの主力小型機、737型機の最新モデルだ。軽量化された機体と燃費効率の良さが特長で、多くの受注残がある人気機種だという。

 日本の航空会社ではまだ就航していないが、全日本空輸は2021年度以降、最大で30機導入する予定にしている。

 世界のジェット機市場は、ボーイングと欧州のエアバスでシェア(占有率)が約9割の寡占状態だ。問題が長引くと、航空会社の機材調達に支障が出かねない。

 全日空は「事態を注視している」というが、調達先を変更する場合も選択肢は限られる。

 世界の航空旅客需要は増加が予想され、航空機の市場も拡大する見込みだ。寡占が続けば、トラブルの際の対応が難しくなる。

 ボーイングは、小型機を得意とするブラジルのエンブラエルと旅客機部門の統合で合意した。エアバスも、カナダのボンバルディアの事業会社を傘下に収めた。

 航空機の開発には膨大なコストがかかる。新規参入が容易ではないだけに、2強による寡占強化には目を光らせるべきだ。

 日本の三菱航空機は、小型機「MRJ」の開発が遅れ、納入延期を繰り返している。安全性の確保に万全を期しながら、早期開発に全力を挙げてほしい。

 日本は、航空機の製造を支える多くの先端技術を持っている。産業育成の観点からも、官民による取り組みを加速させたい。

無断転載禁止
511082 0 社説 2019/03/28 05:00:00 2019/03/28 05:00:00

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