南西諸島防衛 部隊常駐で対処能力を高めよ

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 中国が「海洋強国」を掲げ、急速な軍拡や威圧的な活動を繰り広げている以上、南西諸島の防衛力を中長期的に強化することが肝要である。

 陸上自衛隊が、鹿児島県の奄美大島と沖縄県の宮古島に新たな駐屯地を開設した。

 奄美大島に地対空、地対艦のミサイル部隊と警備隊の550人、宮古島に警備隊380人を常駐させる。2016年の沖縄・与那国島への沿岸監視隊配備に続き、態勢を拡充するものだ。

 全長1200キロ・メートルに及ぶ南西諸島では、長年、陸自が沖縄本島にしかおらず、安全保障上の「空白地帯」とされていた。抑止力を高める意義は大きい。

 政府が12年に沖縄・尖閣諸島を国有化して以降、中国公船が周辺海域での活動を活発化させたことが、一連の措置の背景にある。

 中国は公表ベースで日本の防衛費の4倍近い軍事予算を有し、空母建造や戦闘機開発を進める。

 南西諸島周辺での中国軍の動向には、警戒を怠れない。海軍が、沖縄本島と宮古島を結ぶ宮古海峡を通過する事態が常態化している。中国軍機に対する航空自衛隊の緊急発進も増加した。

 新たに配備されるミサイル部隊は、島に近づく他国軍艦船などをけん制する効果を持とう。

 防衛省は、石垣島でも駐屯地の建設に着手したが、地元には反対論がある。陸自の存在は、災害時の迅速な対応にもつながる。住民に部隊配備の意義を訴え、理解を求めることが欠かせない。

 陸海空3自衛隊で最多の14万人を抱える陸自は、南西対応を重視し、戦力の移行を進める。機動的な部隊運用を可能にすべきだ。

 離島奪回を目的に、長崎県の駐屯地に昨年新設された陸自の水陸機動団は、移動手段に想定した輸送機オスプレイの導入が遅れ、当面の活動領域は限られる。海自と協力し、輸送や指揮系統を確立することが必要である。

 3自衛隊の統合運用を進めるとともに、米軍と訓練を重ね、対処能力を高めることが重要だ。

 護衛艦「いずも」を改修し、戦闘機の運用を可能にするのは、離島防衛が念頭にある。警戒監視能力の高いイージス艦や、空自のステルス機の増強など、装備の充実も着実に進めねばならない。

 武装した外国漁民らの離島への上陸など、武力攻撃と判断できないグレーゾーン事態への対応も課題だ。自衛隊は、領海を警備する海上保安庁や、警察などと連携を密にすることが求められる。

無断転載禁止
515309 0 社説 2019/03/31 05:00:00 2019/03/31 05:00:00

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