塚田副大臣辞任 思慮を欠く発言にあきれる

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 職責の重さを自覚しない発言にあきれるばかりだ。辞任を巡る安倍内閣の対応も後手に回った。緊張感を欠いていると言わざるを得ない。

 塚田一郎国土交通副大臣が辞任した。山口、福岡両県を結ぶ道路に調査費が計上されたことを踏まえ、安倍首相と麻生副総理の意向を「忖度そんたくした」と発言した責任を取ったものだ。

 公共事業を所管する副大臣として、資質を疑う。野党は国会で追及する構えを取っており、自民党内でも統一地方選や夏の参院選への影響を懸念する声が強まっていた。事実上の更迭とみられる。

 首相は記者団に、「改めて気を引き締め、国民の負託に応えていかなければならない」と語った。態勢の立て直しが急務だ。

 塚田氏が発言したのは、福岡県知事選での新人候補の集会だ。

 現職に麻生氏が推す新人が挑む保守分裂の構図だ。麻生派の塚田氏は、劣勢とされる陣営をテコ入れしようとして、政権の取り組みを誇示したのだろう。利益誘導を図ったと受け取られかねない。

 事実と異なるとして、後に発言を撤回したが、そうであれば、有権者を欺いたことになろう。選挙向けのアピールとはいえ、軽率のそしりは免れない。

 首相は当初、続投させる考えを明言していた。対応が遅れた背景には、塚田氏が参院新潟選挙区で改選を迎えるという事情もある。定数減で1人区となっており、選挙直前の辞任は避けたいとの判断が働いたのではないか。

 森友、加計学園の不祥事について、野党は、官僚による首相への忖度が働いた結果ではないか、と繰り返し追及してきた。塚田氏の今回の発言が、野党の政権批判を勢いづかせた面はある。

 安倍内閣では、昨年1月に国会でヤジを飛ばした松本文明内閣府副大臣が事実上、更迭され、言い間違いを重ねた江崎鉄磨沖縄・北方相は2月に辞任した。

 長期政権ゆえのおごりや緩みが目立つ。惰性を排して、政策面で結果を出さねばならない。

 公共事業の選定にあたっては、透明性を確保するとともに、丁寧な説明が求められる。

 問題となった下関北九州道路は、海峡を橋などで結ぶ構想である。財政難を理由に、2008年に調査が凍結されていた。

 地元自治体などには、災害時の代替ルートとして、必要性を訴える声が強い。費用対効果などを慎重に吟味し、事業の是非を適正に判断しなければならない。

524466 0 社説 2019/04/06 05:00:00 2019/04/06 05:00:00

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