入試共通ルール 透明性高めて公正さの確保を

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 新たな指針作りを、大学入試の在り方を見つめ直す機会にしたい。

 一部の医学部による不正入試問題を受けて、文部科学省の有識者会議が全学部共通の入学者選抜に関するルール案をまとめた。

 毎年6月に、各大学に通知される入学者選抜実施要項には従来、「公正かつ妥当な方法で」とのみ書かれていた。ルール案は学生募集や合否判定の際に守るべき約束事を、具体的に示している。

 入学者選抜は本来、各大学が建学の精神などに基づいて、自主的、自律的に行うものだ。このようなルールを策定しなければならないという事態は嘆かわしい。

 不適切な入試は一部の大学での出来事だとは言え、公正さを確保することは欠かせない。

 案では、合否の判定で、社会の理解を得られない、性別や年齢などに基づく差別を禁じた。複数の医大では女子や浪人の受験生を、一律に不利に扱っていた。こうした対応を認めない姿勢を改めて明確にしたのはうなずける。

 教授会や入試委員会などの合議制で、合否を判定する必要性にも触れた。特定の人物に権限が集中するのを避け、必ず複数の目で判断することが、客観性を担保する上で不可欠である。

 地方の受験生を優先する地域枠や帰国子女枠などを設ける場合には、各大学の募集要項にあらかじめ、導入理由や募集人数を明記することを求めた。透明性を高める観点から必要な措置と言える。

 出願書類には保護者の氏名や職業、出身校などの記入欄を設けないよう促した。保護者との接触や寄付の相談も禁じた。

 東京医科大で、寄付者や同窓生の子弟が密かに優遇されていた事例などを踏まえている。不正の芽を摘んでおくことは重要だ。

 中央教育審議会は今後、大学入試を画一的なペーパー試験から、多面的・総合的な評価に転換するよう提言している。高校時代の活動を記録した調査書や、小論文、面接などの結果を判断材料にして入学者を決定する。

 主体的に課題に取り組む姿勢や独創的な発想、他人との協調性をトータルで評価する狙いがある。ペーパー試験に表れない力を測る意義は大きいが、客観性をどう確保するのか考慮が必要だろう。

 受験生や保護者の納得を得られる説明ができるかが問われる。どんな人材を求めているのか、大学が入学者選抜の基本方針を提示し、それに基づいた選考方法を工夫することが大切である。

無断転載禁止
529451 0 社説 2019/04/10 05:00:00 2019/04/10 05:00:00

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