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EU離脱再延期 英国は猶予を無駄にするな

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 「合意なき離脱」という最悪の事態は当面回避されることになったが、混乱収拾の道筋は見えていない。英国は今度こそ責任ある解決策を迅速に提示せねばならない。

 欧州連合(EU)が臨時首脳会議を開き、12日に迫っていた英国のEU離脱の期限を最長で10月末まで延期することを決めた。英政府とEUにより合意された離脱協定案を英議会が承認すれば、それ以前の離脱を認める。

 メイ英首相は与党・保守党をまとめられず、承認のメドは立っていない。最大野党・労働党との協議で事態打開を図るとし、6月末までの延期を求めたが、EUは早期進展は望み薄だと判断した。

 トゥスク欧州理事会常任議長が「時間を無駄にしないでほしい」と要求したのは当然だ。英国が問題の先送りを繰り返していては、国際的威信は傷つき、企業の英国離れが加速するだろう。

 英下院は、離脱を巡る具体案がどれも過半数の支持を得られず、機能不全に陥っている。

 政府と労働党が互いに妥協し、議会で可決される案を探るのか。首相交代などで局面を打開するのか。英国の進路が早期に示されることが重要である。

 混迷の発端は、キャメロン前首相が3年前に、EU残留の是非を国民投票に委ねたことだ。

 英国とEUは、多面的で緊密な関係を構築してきた。二者択一の国民投票で決着させるには、複雑すぎる利害がからんでいる。

 英領北アイルランドとEU加盟国アイルランドの国境管理問題はその象徴と言える。北アイルランドはかつて、帰属を巡る紛争を経験し、国境の自由往来による交流拡大が和平を定着させてきた。

 英国がEUの関税同盟から離脱すれば、税関など国境管理の復活につながる。自由往来維持と関税同盟離脱という両立困難な問題は国民投票の争点にならなかった。議会での討議ならば、見過ごされることはなかっただろう。

 離脱協定案でもこの問題を決着できず、あいまいな表現にとどまったため、保守党の強硬離脱派が政権から離反した。

 党内対立が激化する中、メイ氏は解散・総選挙をちらつかせて求心力を維持する手段を封じられていた。8年前に制定された「議会任期固定法」で、解散には下院議員の3分の2以上の賛成が必要となったことが背景にある。

 首相の解散権の制限は、政治の混迷を招きかねない。議院内閣制をとる国は教訓とすべきだ。

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533196 0 社説 2019/04/12 05:00:00 2019/04/12 05:00:00

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