熊本地震3年 仮設後の生活にも目配りを

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 復興が徐々に進む中、被災者の暮らしをどのように再建するか。自治体によるきめ細かな目配りが欠かせない。

 熊本地震の発生から3年になった。震度7の揺れを2度記録し、50人が亡くなった。損壊した住宅は20万棟近い。

 経済活動は元に戻ってきた。道路や橋は計画に沿って復旧し、畜産などの農家もほとんどが営農を再開した。企業の倒産件数は地震前のペースを下回る。

 被害が甚大だった熊本県益城町では、県による土地区画整理や県道拡幅が始まった。住民の意見に耳を傾けながら、災害に強い町づくりに取り組んでもらいたい。

 仮住まいも解消されつつある。この1年で2万人以上が、仮設住宅や、民間住宅を借り上げた「みなし仮設」から退去した。

 それでもなお、1万6500人が仮設で暮らす。県は来年4月までの仮設解消を目指すが、一部残る可能性がある。恒久的な住宅の確保に努めねばならない。

 避難生活の長期化は、被災者に様々な悪影響を及ぼす。県の調査では、昨年末時点で、仮設暮らしの半数近い世帯が資金や家族、心身などに何らかの事情を抱えていた。被災者の個別状況を考慮した、柔軟な対応が求められる。

 留意すべきは、みなし仮設の課題だ。孤独死した被災者28人のうち、22人がみなし仮設に住んでいた。低コストで速やかに入居できる利点がある反面、広範囲に点在するため、被災者同士がつながりを保つことが難しい。

 地震後、自治体は「地域支え合いセンター」を設置し、相談員らが入居者を訪ね、相談に乗る見守り活動を行っている。こうした試みを重ねることが大切だ。

 これからは、仮設退去後の生活支援もポイントになる。センターは仮設入居者を対象としているため、退去後に必要な支援が届かなくなる事態が想定される。

 転居先でのコミュニティー作りが鍵を握る。宮城県石巻市では、民間団体が東日本大震災で被災した独居男性の交流会を毎月開く。これらを参考に、自治体は民間団体と連携し、孤立しがちな被災者を切れ目なく支えてほしい。

 気がかりなのは、防災意識の低下である。熊本県が昨年度実施した県民調査結果によると、災害への備えとして「水・食料等の備蓄」を挙げた回答が、地震のあった2016年度から10ポイント下がった。

 地震列島の日本では、いつ大規模な揺れに見舞われるかわからない。備えを万全にしたい。

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537046 0 社説 2019/04/14 05:00:00 2019/04/14 05:00:00

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