介護人材対策 効率化で働きやすい職場に

メモ入力
-最大400文字まで

完了しました

 介護ニーズが急増する一方、労働力人口は減少する。限られた人材で、効率的に質の高いサービスを提供する仕組みを構築することが重要だ。

 厚生労働省の有識者会議が、介護施設などでの人材対策に関する基本方針を策定した。人手不足に対応した業務効率化を進めるとともに、働きやすい職場環境の整備を通じて人材の確保・定着につなげることを目指している。

 介護分野の有効求人倍率は4倍を超え、人材難から倒産に追い込まれる事業者もある。厚労省推計では、2025年度には245万人の介護職員が必要だが、34万人の不足が見込まれる。将来的には、さらに厳しい状況になる。

 必要数の確保を目指すのは当然だが、産業界全体でも人手不足が深刻化する中、実現は容易ではない。それを前提にしたサービス確保策が求められている。

 基本方針では、介護現場での業務を細分化した上で、役割分担を明確にすることを掲げた。

 介護業務は、食事や入浴の介助、排泄はいせつケア、見守りなど多岐にわたる。専門的な技能を持つ介護職員が補助的業務まで担っているのが現状で、人材が有効活用されていないと指摘されてきた。

 周辺業務は多様な人材に委ね、介護職員は専門性の高い業務に専念してもらう。それにより、専門的ケアの量を増やし、質を高める狙いは適切である。

 三重県では、周辺業務の担い手として地域の元気な高齢者らが活躍している。本人の体力や希望に応じた柔軟な勤務で、配膳やシーツ交換にあたる。

 社会貢献や生きがい就労として高齢者の関心は高い。働くことが介護予防にもつながる。こうした施設では、介護職員の離職率が低下したという。三重県の事例は他の自治体の参考になるだろう。

 情報通信技術(ICT)やロボットの活用も基本方針は強調した。見守りセンサーやスマートフォンによる記録システムで省力化を進める事業者は増えている。

 厚労省は、元気な高齢者の取り込みやロボット活用を組み合わせたモデル事業に乗り出す。重労働のイメージが変われば、介護業界を志望する人も増えるはずだ。

 一層の処遇改善も欠かせない。政府は賃金アップに努めてきたが、他産業とはなお差がある。

 今年度から、介護分野でも外国人材の活用が拡大された。人手不足解消の一助だが、外国人材に期待するだけで、職場環境の改善を怠ることがあってはなるまい。

無断転載禁止
543745 0 社説 2019/04/19 05:00:00 2019/04/19 05:00:00

おすすめ記事

読売新聞購読申し込み

アクセスランキング

読売IDのご登録でもっと便利に

一般会員登録はこちら(無料)
ページTOP
読売新聞社の運営するサイト
ヨミダス歴史館
ヨミドクター
発言小町
OTEKOMACHI
元気ニッポン!
未来貢献プロジェクト
The Japan News
美術展ナビ
教育ネットワーク
活字・文化プロジェクト
よみうり報知写真館
読売新聞社からのお知らせ