囲碁の再興 英才教育を普及につなげたい

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 囲碁大国・日本の再興に、つなげられるかが注目されよう。

 大阪市の小学生、仲邑菫さんが、国内史上最年少で囲碁のプロ棋士となった。10歳0か月という若さだ。日本棋院が将来性豊かな小学生をプロ採用するために設けた「英才枠」の第1号である。

 仲邑さんは3歳で囲碁を覚え、韓国で修業するなどして実力をつけた。国内最強の井山裕太棋聖が「僕の9歳時より完成度は上」と驚いたほどの逸材という。

 日本棋院はほかにも10代の女流プロ棋士を7人誕生させた。例年の採用は1人程度だった。

 今回の積極的なプロ採用には、世界で戦える棋士を育成したいとの狙いがあると言える。

 日本は1990年代半ばまで、世界最強とされた。しかし今や、日本の棋士は国際棋戦で優勝から遠ざかり、実力的に中国や韓国の後塵こうじんを拝している。

 中韓が国を挙げて強化に乗り出し、育成システムを整備したからだ。各地で優秀な子を選抜したり、民間道場で徹底的に鍛えたりすることで、強豪を輩出した。

 ただ、女流棋士については、中韓との実力差は男性棋士ほど離れていない。女流棋士の重点強化が進めば、世界との差を縮めるきっかけになることが期待できる。

 仲邑さんらが力をつけるには、強豪とのハイレベルな勝負を続けられる環境が必要だ。早くから国際大会への参加機会を増やすなどの支援が求められる。

 強化と並んで重要なのが、囲碁人気の回復である。

 競技人口はかつて1000万人といわれたが、日本棋院によると、現在は350万人程度にまで減少しているという。閉鎖された碁会所も少なくない。

 仲邑さん人気で関心を示した人たちを、いかに囲碁好きにしていくか。インターネットなども活用しながら、ルールや面白さを分かりやすく伝え、初心者でも親しめる工夫を重ねてほしい。

 囲碁や将棋は、集中力の向上や大局観の養成などの効用がある。日本では、礼儀作法を学べる機会としても評価されている。

 中でも囲碁は、7世紀には日本で愛好されていたほど長い歴史を持つ。平安貴族が楽しみ、江戸幕府が棋士を保護した文化だ。

 将棋界は藤井聡太七段の登場を受け、普及に向けた方策を打ち出した。囲碁界も大学と提携して授業で教える機会を増やしている。囲碁の裾野拡大に向けて、積極的に手を打つことが大切である。

546935 0 社説 2019/04/21 05:00:00 2019/04/21 05:00:00

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