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強制不妊救済法 理不尽な手術の検証が必要だ

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 被害の救済に向けた大きな一歩である。

 旧優生保護法に基づき多くの障害者らに不妊手術が行われた問題で、被害者を救済する法律が議員立法で成立した。

 前文には、被害者が受けた多大な苦痛に対する「おわび」が明記された。安倍首相も「真摯しんしに反省し、心から深くおび申し上げる」との談話を発表した。

 「不良な子孫の出生防止」を目的とした旧優生保護法は1948年に議員立法で制定された。旧厚生省が手術を奨励し、約2万5000人が手術を受けた。法を執行した政府の代表である首相がおわびを表明したのは当然だろう。

 被害者ら20人が国に損害賠償を求めて提訴し、全国7地裁で係争中だ。司法判断が示される前に、救済法が成立するのは異例である。被害者の高齢化に配慮して、与野党が全会一致で迅速に可決させた意義は大きい。

 救済法では、手術への同意の有無にかかわらず、1人当たり320万円の一時金を支給する。まずは救済制度を周知し、支給を円滑に進めてもらいたい。

 手術記録が残っていない人も多い。救済法では、厚生労働省内に設置する審査会が手術痕などを基に、支給の可否を認定する。幅広い救済を求める法の趣旨にのっとり、柔軟な判断が求められる。

 一時金は、被害者本人が請求する必要がある。障害のために自らの被害を認識できない人や、周囲に手術を受けたことを知られるのを恐れて、名乗り出るのをためらう人もいるだろう。

 支援者の代理申請を認める。自治体の相談窓口で、障害に配慮した丁寧な対応を行う。こうした工夫が欠かせない。一人でも多くの救済につなげたい。

 今回、被害者個人への通知は行われないことになった。ただ、自治体や病院に手術の記録が残り、連絡先が分かる被害者には、プライバシーに配慮しつつ、知らせる必要があるのではないか。

 鳥取県は、記録が残る人を独自に調査し、存命者に個別に連絡する方針だ。参考になろう。

 救済法は、国に対し、不妊手術の実態調査を求めている。

 逡巡しゅんじゅんする親を再三説得し、手術の同意を取り付ける。本人への事前の説明もなく手術する。そんな事例が明らかになっている。

 なぜ、理不尽な行為がまかり通ったのか。過ちを繰り返さぬためにも、関係者への聞き取りや資料の収集・分析を通じて、徹底的に検証することが重要だ。

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555567 0 社説 2019/04/26 05:00:00 2019/04/26 05:00:00

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