政府開発援助 官民協力できめ細かな支援を

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 途上国の発展を後押しするため、政府開発援助(ODA)を効果的に活用することが大切だ。官民の協力で、国際貢献の幅を広げたい。

 ODA予算は、ピークの1997年度からほぼ半減し、近年は5000億円台で横ばいが続く。厳しい財政事情を踏まえれば、こうした現状は変わるまい。

 よりきめ細かい支援を行う上で鍵を握るのは、企業や国際援助に取り組む民間活動団体(NGO)、自治体との連携だ。それぞれが専門性を生かし、補完し合うことで、相乗効果が高まろう。

 外務省は、今年度からNGOの財政基盤の強化に乗り出した。補助金の使い道について、事業に直接関わらない本部の人件費や通信交通費に回せる割合を高める。

 日本のNGOは、欧米に比べて規模が小さく、組織の基盤も弱い。個人が寄付する文化が根付いていないことが背景にある。政府が資金面で援助するのは妥当だろう。活動実績を見極め、適切に補助金を配分せねばならない。

 日本は従来、人間一人一人の生活や尊厳を重視する「人間の安全保障」を推進してきた。官民連携による草の根レベルの国際貢献は、その理念に合致しよう。

 実践例も増えている。富山県は、地元製薬企業と手を携え、約300年の歴史を持つ「置き薬」の仕組みを、ミャンマーに伝える。農村に薬を届けるだけでなく、地元での生薬の生産に関して、技術指導を行っているという。

 国際協力と地場産業の振興を兼ねたプロジェクトと言えよう。

 国際協力機構(JICA)と協調し、効率的な援助プランを練ることが重要である。

 アジアの新興国などに対し、低利の円借款を戦略的に供与することも欠かせない。道路や港湾、発電所など「質の高いインフラ」の整備を支援し、自立的な経済発展を促していくべきだ。

 相手国の発展の度合いや財政状況を的確に判断し、適切な手立てを講じることが求められる。

 国連の「持続可能な開発目標」(SDGs)と歩調を合わせることも肝要だ。貧困の撲滅など17分野について、2030年までに達成すべき目標を掲げる。日本は積極的に関与すべきだ。

 6月に大阪で主要20か国・地域(G20)首脳会議、8月には横浜でアフリカ開発会議(TICAD)を開催する。資金調達や推進体制の充実強化など、多国間の協力についても、主導的な役割を果たさなければならない。

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573450 0 社説 2019/05/09 05:00:00 2019/05/09 05:00:00

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