中国の一帯一路 「借金漬け」批判を拭えるか

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 責任ある大国として、中国は質の高い開発援助を実現できるか。今後の行動が問われよう。

 中国の巨大経済圏構想「一帯一路」に関する国際会議が北京で開かれ、習近平国家主席が「質の高い一帯一路」をめざすと表明した。

 インフラ(社会基盤)整備にあたっては相手国の財政の持続可能性に配慮し、国際ルールを順守するとも強調した。

 構想への逆風を踏まえ、軌道修正を図ったのだろう。

 2013年の構想提唱以来、対象国はアジアから欧州、アフリカ、南太平洋、中南米へと広がった。中国政府によれば130か国以上が協力文書に署名した。中国企業による直接投資は900億ドル(約10兆円)に達するという。

 現地のニーズを無視し、中国企業の利益を優先した事業が多いとの指摘が絶えない。中国の影響力拡大のために新興国を借金漬けにする「債務のわな」との批判も広がっている。

 スリランカでは債務免除と引き換えに、インド洋に面したハンバントタ港の運営権を、中国企業に99年間貸与する契約が結ばれた。重要港湾が軍事転用されるのではないかという懸念が根強い。

 米国はペンス副大統領が「借金漬け外交」と非難し、警戒を呼びかける。北京の国際会議への政府高官派遣も見送った。

 中国トップが構想を見直す考えを示したのは前進だが、求められるのは言行一致である。習氏は、相手国の債務が過剰かどうかをチェックする枠組みを創設すると述べた。具体化し、事業の健全化を図らねばならない。

 アジアの開発途上国では今後もインフラ需要の拡大が見込まれるが、必要な資金を十分に調達できないケースが多い。中国が相手国や地域の発展に資する事業を推進し、資金や技術を提供していくことが欠かせない。

 日本は事業の開放性、透明性、経済性、対象国の財政健全性を尊重するよう中国に求めている。これらの4条件を満たした場合、第三国でのインフラ投資で中国と協力する立場だ。

 日本が主導するアジア開発銀行(ADB)と、中国が設立したアジアインフラ投資銀行(AIIB)との協調融資を通じ、中国が国際基準に見合った投資を行うよう後押しすることが重要である。

 途上国支援の豊富な経験を生かし、事業契約に関する法的な助言を行うなど、日本は地域の開発に積極的な関与を続けたい。

579501 0 社説 2019/05/13 05:00:00 2019/05/13 05:00:00

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