菅官房長官訪米 「拉致」解決へ重層的な協力を

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 膠着こうちゃく状態に陥っている日本人拉致問題の解決に向け、日米の政策協調を深めることが重要だ。

 拉致問題相を兼務する菅官房長官が訪米した。ペンス副大統領やポンペオ国務長官らと会談を行い、北朝鮮政策での連携を確認した。

 4月の日米首脳会談に続き、今月下旬にはトランプ大統領が来日する予定だ。首脳往来とあわせ、閣僚を含む様々なレベルで実務的な協議を重ねる意義は大きい。

 危機管理の要である官房長官の海外訪問は異例だ。政権の実力者であることを踏まえ、米側も手厚く処遇したのだろう。

 菅氏は、国連本部で開かれたシンポジウムで「北朝鮮との相互不信の殻を破り、新たなスタートを切る」と述べ、拉致問題解決への強い意欲を示した。

 被害者の多くは1970~80年代に拉致され、長い歳月が経過している。トランプ米政権の全面的な協力を得ながら、一日も早い被害者の帰国を実現したい。

 菅氏はペンス氏らに、前提条件を付けずに、北朝鮮の金正恩朝鮮労働党委員長との会談に臨むという安倍首相の意向を伝えた。

 首相は従来、拉致問題の解決につながることを条件に、会談に臨む考えを示していたが、軌道修正した。絶対的な権力を握る金委員長との会談の環境を整え、事態の打開を図る狙いだろう。

 様々なルートを通じて、会談を働きかけることが大切だ。

 拉致と核・ミサイル問題を包括的に解決し、国交を正常化する。そうすれば、北朝鮮が求める経済協力が可能となる。日本の基本方針を金委員長に伝え、譲歩を引き出すことが肝要である。

 菅、ペンス両氏は、北朝鮮の弾道ミサイル発射について「遺憾だ」との認識を共有した。

 国連安全保障理事会決議に違反しており、看過できない。緊張を高めないよう北朝鮮に強く自制を求めなければならない。国際社会が一致して、北朝鮮に対して圧力を維持することが欠かせない。

 菅氏はシャナハン国防長官代行に、米軍普天間飛行場の名護市辺野古への移設の現状を説明し、協力していくことで一致した。

 辺野古移設は、抑止力維持と基地負担軽減の両立に向け、日米が取り組む在日米軍再編計画の中核だ。工事は遅れているが、粘り強く進めねばならない。両氏がその方針を確認した意味は重い。

 政府は、移設の重要性について、沖縄県民に丁寧に説明し、理解を求めていく必要がある。

無断転載禁止
579502 0 社説 2019/05/13 05:00:00 2019/05/13 05:00:00

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