廃プラ輸出規制 国内の処理態勢整えられるか

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 プラスチックごみ(廃プラ)は環境汚染を引き起こしかねない。適切な処理が不可欠である。

 飲食物などが付着した汚れた廃プラを、輸出入の規制対象に加えることが、バーゼル条約の締約国会議で採択された。日本やノルウェーなどが提案していた。2021年に発効する予定だ。

 バーゼル条約は、有害な廃棄物の輸出入を規制する条約で、186か国・地域と欧州連合(EU)が加盟する。廃プラに関する包括的な国際規制は初めてである。

 東南アジアでは、外国から輸入した廃プラが海に流れ出て、海洋環境に悪影響を与えている。今回の採択は、現状に対する世界的な危機感の表れと言えるだろう。

 日本国内では、年間約900万トンの廃プラが排出され、リサイクル用として2017年には143万トンが輸出された。この中には再利用できない汚れた廃プラも含まれていたのが実情だった。

 大半を受け入れていた中国が環境汚染を理由に、17年末に輸入を原則禁止した後、マレーシアやタイなどへの輸出が増えた。

 新たな規制では、汚れた廃プラを輸出する場合、輸入国の同意に加え、日本と同等以上の処理性能を備えた施設があることが必要だ。日本からのこうした廃プラ輸出は事実上、不可能になる。

 問題は、国内の処理態勢を整えられるかどうかだ。

 中国が輸入を禁止した後、行き場を失った廃プラは、日本国内に滞留している。処理業者の敷地内には、処理しきれない廃プラが積み上がる。人件費や処理費用の高騰も無視できない。

 廃プラの処理を進めるには、施設の増築や、機械の性能向上が欠かせない。環境省は、処理業者に対する補助金の拡充や、施設建設の規制緩和などを検討している。だが、思惑通りに業者が施設の整備を行うかどうかは不透明だ。

 廃プラを溶かして新たな製品に作り替えるリサイクル技術を、これまで以上に磨かねばならない。繰り返し使える素材の開発や、植物の成分から作るプラスチックの活用を促進する必要がある。

 ペットボトルの飲料を飲んだら、容器をきれいに洗って、自治体やスーパーの分別回収に出す。プラスチックのスプーンやフォークなど、使い捨ての食器は極力使わない。こうした廃プラの分量を減らす努力も求められる。

 日本は、1人当たりのプラスチックの消費量が世界第2位だ。個人の心構えも問われよう。

581349 0 社説 2019/05/14 05:00:00 2019/05/14 05:00:00

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