米国の台湾政策 地域の安定へ積極的な関与を

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 中国が台湾への威圧を強めている。台湾海峡を含む東アジアの平和と安定を維持するには、米国が積極的な関与を続けることが欠かせない。

 米国の台湾関係法が1979年に制定されてから40年が過ぎた。米国が中国と国交を樹立し、台湾と断交した後も、台湾との実質的な関係を維持するための基本法の役割を果たしてきた。

 中国を念頭に、台湾への防衛的武器の供与を規定し、台湾の人々の安全が脅威にさらされた場合は「対抗するための適切な行動を決定する」と明記している。

 台湾の蔡英文総統は、台湾関係法に基づく米国の協力によって「台湾は自由で健全な民主社会になった」と評価した上で、一層の支援を求めた。

 台湾は来年、総統選を迎える。独立志向の強い与党・民進党の下野を狙い、中国が軍事的緊張を高めることが懸念される。

 中国軍の戦闘機や艦艇は、常態的に台湾本島を周回している。3月末には中国の戦闘機が、台湾が主張する台湾海峡の中間線を越えて台湾側に侵入した。

 中国の習近平国家主席は、他国が台湾問題に介入した場合には「武力使用を放棄しない」と公言している。軍事的威嚇を容認する発言は看過できない。

 米国防総省は中国の軍事・安全保障に関する年次報告書で、「中国軍は台湾の武力統一を準備している可能性が高い」と分析した。米国は具体的な行動で、自制を促すことが求められる。

 米海軍は1月から4か月連続で台湾海峡に艦艇を派遣した。4月には、F16戦闘機の修理用部品や操縦士の訓練プログラムなど、計5億ドル(約550億円)相当の台湾への武器売却が決まった。

 台湾における米大使館に相当する米国在台湾協会には、2005年以降、陸海空3軍と海兵隊の現役軍人が常駐している。その事実を最近になって公表したのは、中国を牽制けんせいする狙いからだろう。

 米議会は、台湾との関係強化を主導してきた。米台高官の相互訪問を促す「台湾旅行法」などの新法が相次いで成立している。

 中国との対立が、貿易から安全保障、先端技術などに拡大する中、米国の対中強硬論は党派を超えて勢いを増している。中国が覇権的な動きを改めない限り、関係の更なる冷却化は避けられまい。

 台湾海峡の不安定化は、日本にも悪影響を及ぼす。日本は米国と連携し、経済や人的交流を通じて台湾との協力を深化させたい。

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585321 0 社説 2019/05/16 05:00:00 2019/05/16 05:00:00

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