スポーツ団体 適正な運営で競技の振興を

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 選手の育成や強化を図る上で、各競技団体の果たす役割は大きい。適正な運営が欠かせない。

 スポーツ庁の審議会が競技団体の守るべき規範となる「ガバナンスコード」の策定を進めている。来月には鈴木大地スポーツ庁長官に答申する。

 対象は、日本陸上競技連盟や日本体操協会のような、全国の組織を束ねる中央競技団体だ。障害者スポーツの団体も含まれる。

 2020年東京五輪・パラリンピックを控え、政府は100億円の選手強化費を投入している。中央競技団体は、強化予算の配分、代表選手の選考など、大きな権限を持つ。厳格な組織運営が求められるのは当然である。

 昨年、レスリングの日本協会強化本部長によるパワーハラスメントや日本ボクシング連盟の助成金不正流用といった、不祥事が相次いだ。スポーツ界に社会から厳しい目が向けられていることも、今回の規範策定の背景にある。

 審議会がまとめた案には、競技団体を健全に運営するための13項目の規定が並んでいる。

 理事の在任期間は原則、10年を超えないこととし、就任時の年齢にも制限を設けるよう求めた。競技団体では、実績のある指導者が長く権限を握り、運営をゆがめる例が目立つ。世代交代は組織を活性化するために必須である。

 理事会に外部理事を25%以上、女性理事を40%以上入れる目標も設定された。現状はいずれも1割台にとどまる。組織の閉鎖性を打破して、古い慣行を見直すには外部や女性の目が不可欠だ。

 代表選手の選考に、明確な規定を整備するよう求めた。弁護士や公認会計士らで構成する法令順守委員会の設置も盛り込んだ。ルールにのっとり、公明正大に取り組むことが信頼感を高めるだろう。

 ただ、競技愛好者のボランティア精神に支えられ、人的・財政的な基盤が脆弱ぜいじゃくな中央競技団体も少なくない。人材を確保して態勢を整えるまで、規範の適用を猶予する配慮はやむを得まい。

 大切なのは、競技団体の運営の適正化を通じて、各競技の普及・振興を図ることである。

 いまだに、暴言や暴力で選手をしごく、時代錯誤的な指導が後を絶たない。ドーピングなどの不正行為に手を染める選手もいる。

 競技団体が先頭に立って、正しい指導方法を現場に浸透させ、選手のモラル教育を徹底する。こうした取り組みを重ねることが、競技の裾野を拡大し、ひいては日本選手の強化につながるだろう。

586931 0 社説 2019/05/17 05:00:00 2019/05/17 05:00:00

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