コンビニ戦略 時代に即した事業モデル描け

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 コンビニエンスストア大手が、食品ロスの削減へようやく動き出した。時代に即した改革が不可避になったためだ。

 業界最大手のセブン―イレブン・ジャパンは今秋から、消費期限が近づいた弁当やおにぎりの実質的な値引き販売を、全国で実施することになった。

 値引き分をポイント還元することで、「定価販売」を改める。

 ローソンも、同様の取り組みを6月から愛媛と沖縄の店舗で実験的に始めるという。

 ファミリーマートは、ウナギ弁当などの季節商品を完全予約販売に切り替えるとしている。

 売れ残った「恵方巻き」の大量廃棄が社会問題になっただけに、意義は大きい。効果を検証し、必要ならば還元率のアップや対象商品の拡大も検討すべきだろう。

 商品の廃棄費用の負担や人手不足、人件費上昇でコンビニ加盟店の経営は厳しい。今回の措置は加盟店への支援になるはずだ。

 食品ロスは家庭分を含め、年間で643万トンに上る。全国民が毎日茶わん1杯のごはんを捨てている計算になる。食品ロスを減らす試みを着実に広げていきたい。

 定価販売はコンビニの特徴の一つとされている。便利な分、スーパーより多少割高になるが、消費者には受け入れられてきた。

 公正取引委員会は2009年、加盟店による弁当などの値引き販売を制限したとして、セブン―イレブンに排除措置命令を出した。独占禁止法で禁じられた優越的地位の乱用にあたるとの理由だ。

 それでも値引き販売があまり広がらなかったのは、契約などで不利な扱いを受けかねないと考える加盟店が多いからではないか。

 コンビニは、売れる機会を逃さぬよう、商品をなるべく切らさない工夫をしてきた。売り上げを増やす効果がある反面、大量のゴミを生み出す原因ともなった。

 店舗を集中展開する戦略も加盟店を疲弊させている。「24時間営業」は人員確保に苦しむ加盟店の声を受け、見直しが始まった。

 コンビニ各社が変革を迫られているのは、従来の営業手法が限界に来ている証しでもある。加盟店に多くの負担を強いるビジネスモデルは持続可能とは言えまい。

 全国に6万店近くあるコンビニの大半は、本部とフランチャイズ契約を結んだ加盟店だ。

 本部と加盟店が共存共栄を図り、重要な社会基盤としての役割を果たすことが望ましい。人口減が進む中で、コンビニは新たな事業モデルを探らねばならない。

603243 0 社説 2019/05/26 05:00:00 2019/05/26 05:00:00

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