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強制不妊判決 違憲判断を重く受け止めたい

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 障害者らに理不尽な不妊手術を強いた旧優生保護法は、憲法に反する。ただし、賠償請求できる期間は過ぎている。裁判所はそう判断した。

 手術を受けた被害者が国に損害賠償を求めた訴訟で、仙台地裁は原告敗訴の結論を出した。原告の失望は大きいが、司法の場で旧優生保護法が違憲と初めて明確に認められた意義は小さくない。

 1948年施行の旧優生保護法は、「不良な子孫の出生防止」が目的で、約2万5000人が手術を受けた。本人の同意や十分な説明がないケースも多かった。

 判決が、この法律について、「子を産み育てるという幸福の可能性を一方的に奪い去り、個人の尊厳を踏みにじった」と批判したのはもっともである。

 旧優生保護法が、「障害者差別にあたる」として母体保護法に改正されたのは、96年になってからだ。差別的な法律は、50年近くの長きにわたり存続した。「優生思想が社会に根強く残っていた」という判決の指摘は重い。

 一方、法改正後も被害者を補償する法律を国会などが作らなかった点に関し、判決は違法にはあたらないと結論づけた。国会の立法裁量を広くとらえたと言える。

 「除斥期間」の壁も立ちはだかった。不法行為から20年が過ぎると損害賠償請求権が消滅するという、民法の規定である。

 原告の60歳代と70歳代の女性は、10代で手術を受けた。手術から約50年、法改正からも20年を超える年月が経過していた。

 判決は今回、この規定を厳格に当てはめ、原告らを例外扱いしなかった。遠い過去の出来事に対する損害賠償請求などに一定の歯止めをかけるという、除斥期間の趣旨を重んじたのだろう。

 だが、当時は合法だった旧優生保護法に基づく手術について、障害者らが違法性を認識し、被害を訴え出るのはそもそも困難だった。資料の多くは廃棄され、手術を受けた証明も容易ではない。

 こうした事情を踏まえれば、除斥期間を適用するのは、被害者にとって酷ではないか。

 原告側は、今回の判決を不服として、控訴する方針だ。同種の訴訟は全国7地裁で係争しており、司法判断が確定するまでには時間がかかるとみられる。

 今回の訴訟を契機に、4月に被害者1人あたり320万円の一時金支払いを柱とする被害者救済法が成立した。被害者の大半は高齢だ。救済の手続きを迅速かつ着実に進めることが大切である。

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608076 0 社説 2019/05/29 05:00:00 2019/05/29 05:00:00

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