銀行の経営 本業先細りをどう克服するか

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 銀行を取り巻く環境が厳しさを増している。本業の先細りをいかに切り抜けるか。戦略の再構築が求められよう。

 銀行の2019年3月期決算は厳しい内容となった。3メガバンクを含む大手5グループのうち四つが減益で、地方銀行も約7割が減益だった。

 日本銀行の金融緩和に伴う超低金利が長期化し、融資の利ざやが縮小しているためだろう。

 人口が減る中で、資金需要の大きな伸びも期待できない。大手行は海外事業の強化を含め、新たな収益源の開拓が急がれる。

 金融のデジタル化への対応は重要な課題となる。IT(情報技術)企業が電子決済などの金融事業に進出する例も増えている。

 銀行の強みは長年培ったノウハウと高い信用力だ。それを生かし、顧客本位の視点で新たなビジネスモデルを作ってもらいたい。

 顧客の利便性には配慮しつつ、コスト削減の一環として、店舗の統廃合や再配置、現金自動預け払い機(ATM)の共同利用といった取り組みは避けられまい。

 地銀の状況はさらに深刻だ。

 日銀の試算では、約100行ある地銀のうち、28年度には約6割で最終利益が赤字に陥る。日銀が「統合やアライアンス(提携)も有効な選択肢」と指摘したのは、もっともである。

 保有株の売却で当面の利益を確保する手法はいずれ行き詰まる。経費を削るにも限界があろう。

 地銀の経営が危機に陥れば、地元企業に十分な資金が行き渡らず、地方経済はますます疲弊する。経営余力があるうちに、抜本的な対策を講じねばならない。

 金融庁や公正取引委員会は、独占禁止法の弾力的な運用で再編を後押しするなど、経営安定化に向けた環境整備に努めるべきだ。

 地銀が目先の利益のために、リスクの高い融資や有価証券への投資を増やすことも懸念される。

 日銀は、不動産業向け融資の一部で過熱がみられると警鐘を鳴らした。地銀によるアパートローンなどが念頭にある。金融庁の調査では、一部の銀行は、借り手の返済能力を十分確認せずに、不動産融資をしていたという。

 リスク管理が適正なのか、金融庁は監視を強める必要がある。

 地域のニーズを丁寧に掘り起こし、金融面で貢献する。これが地銀本来の役割である。複数の地銀が地方企業の合併・買収(M&A)の仲介や事業承継で連携する動きも出てきた。こうした取り組みを着実に広げていきたい。

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614295 0 社説 2019/06/01 05:00:00 2019/06/01 05:00:00

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