インフラ老朽化 効率的な改修で安全の確保を

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 国民生活を支える道路や橋などのインフラ(社会基盤)をどう維持していくか。官民で知恵を絞り、効率的な点検や補修に努める必要がある。

 全国でインフラの老朽化が問題となっている。日本では、高度成長期の1960~70年代に大量のインフラが整備された。古くなる時期も集中している。

 インフラは、50年前後が老朽化の目安とされる。約73万ある道路用の橋のうち、建設から50年たつものは、2018年の25%が33年に63%まで増える。トンネルも、33年に42%が50年以上となる。

 12年に山梨県で起きた中央自動車道・笹子トンネルの天井板崩落事故を受け、政府はインフラの点検を強化した。ただ、道路の陥没や橋の損傷などの事例は、その後も各地で頻発している。

 老朽化による大規模な事故が再び起きないよう、安全の確保を最優先しなければならない。

 問題なのは、インフラの維持に多額の費用がかかることだ。コストを抑えた、効率的な管理・補修を行うことが望ましい。

 国土交通省によると、定期的に点検し、損傷する前にこまめに補修する「予防保全」を徹底すれば、長期的にみて費用を抑えられるという。国の19年度当初予算では、道路の予防的な補修に前年度比で約4%増の予算が計上された。

 財政事情が厳しい中で、公共事業費を増やし続けるのは難しい。コストの最小化へ、先を見据えた綿密な計画作りが求められる。

 現場で点検にあたる技術者の不足も懸念されている。全国の市町村では、土木部門の職員が17年度時点で12年前より14%減った。技術系の職員がいない市町村は、全体の約3割に達している。

 建設業界でも、人手不足が深刻化している。人材の確保と育成を急がねばならないが、即効性のある対策は見あたらない。

 先端技術の活用が一つの解決策となろう。ロボットやドローン、センサー、画像診断、AI(人工知能)などを駆使すれば、点検の大幅な省力化ができる。予防的な補修もしやすくなる。

 そのノウハウを磨けば、インフラ輸出の促進につながる。民間の技術開発が加速するよう、政府は政策的な支援を強化すべきだ。

 今後の人口減少を展望すれば、現状のインフラのすべてを維持することはできまい。公共施設を含め、どのインフラを残すのか、優先順位を吟味し、集約・再編することが課題だ。そのためのコンパクトな街づくりも進めたい。

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615684 0 社説 2019/06/02 05:00:00 2019/06/02 05:00:00

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