アジア安保会議 インド太平洋の秩序を守れ

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 中国が国際ルールを無視し、インド太平洋地域の秩序を変更することは許されない。習近平政権は国際社会の懸念に耳を傾け、威圧的な振る舞いを改めるべきだ。

 各国の国防相や軍事専門家が一堂に会し、地域情勢について議論するアジア安全保障会議が、シンガポールで開かれた。今年も南シナ海情勢などを巡り、米中が非難を応酬する場となった。

 シャナハン米国防長官代行は演説で、「中国は他国の主権を侵害し、不信を抱かせる行動をやめるべきだ」と述べ、他国との協調的な関係の構築を促した。

 中国の名指しは避けつつ、他国を借金漬けにして権益を奪う手法や、国家主導の技術窃取も批判し、「米国はこうした行動を拒否する」と明言した。日本など同盟国や友好国との協力を推進する方針を示したのは妥当である。

 中国の魏鳳和国防相は、米軍が南シナ海に艦艇を派遣していることが「地域を不安定化させている」と主張し、軍事拠点化は「防衛のためだ」と強弁した。

 東南アジア諸国連合(ASEAN)との間で、南シナ海の紛争解決に向けた「行動規範」の策定作業を進めているとも強調した。米国などを「域外国」として排除し、中国に有利な規範を一方的に作るとすれば容認できない。

 中国は南シナ海で埋め立てた岩礁で、滑走路や格納庫、港など軍事施設を建設し、対艦・対空ミサイルを配備した、と米国防総省は分析している。米国は「航行の自由作戦」を継続し、中国への牽制けんせいを強めねばならない。

 魏氏は中国国防トップとして8年ぶりに会議に参加した。中国包囲網の構築を警戒したのだろう。シャナハン氏と会談し、偶発的な衝突を防ぐ方策を協議した。

 米中両国が安全保障を巡る緊張を和らげることが、アジアの平和と安定に欠かせない。国防・軍当局の対話を継続し、信頼醸成に努める必要がある。

 岩屋防衛相は演説で、シャナハン氏がインド太平洋地域への関与を強める方針を示したことについて「歓迎する」と支持した。

 米豪の国防相との会談では、中国を念頭に、東シナ海の緊張激化につながる威圧的行動に強く反対する立場で一致した。

 日中関係は改善が進む一方、沖縄県・尖閣諸島周辺での中国の領海侵入などは続く。日本は周辺国との連携を強化し、中国の「力による現状変更」を許容しない原則を堅持しなければならない。

616828 0 社説 2019/06/03 05:00:00 2019/06/03 05:00:00

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