レオパレス問題 法令順守の意識が低すぎる

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 入居者の安全より、業績の拡大を優先させた。順法精神の欠如に、開いた口がふさがらない。

 賃貸住宅大手「レオパレス21」のアパート施工不良問題で、外部調査委員会が最終報告書を公表した。

 報告書は、創業者で元社長の深山祐助氏による「ワンマン体制」を問題視した。遮音性や耐火性の基準を満たさない部材を外壁や仕切り壁に使ったのは、祐助氏の指示が発端だったという。

 祐助氏は、地主から建設を請け負ったアパートを借り上げて転貸する「サブリース」で、バブル崩壊後の経営難を乗り切った。施工不良が集中したのは、レオパレスが急成長した時期と重なる。

 品質には多少目をつぶっても、物件を増やすという企業風土があったことは否めない。

 レオパレスは自治体などへの建築確認申請の際、天井裏の仕切り壁を設置しないのに、設置するかのような虚偽の記載をしていた。報告書が、「会社として、確認済証を言わばだまし取った」と厳しく批判したのは当然である。

 一部オーナーから施工不良を訴えられた後も、全社的な調査を怠るなど対応が後手に回った。報告書が指摘した、「順法意識の欠如やリスク感度の低さ」は、現在の経営陣にも当てはまるだろう。

 祐助氏のおいにあたる深山英世社長は、引責辞任した。社内取締役の大半も入れ替える。社外取締役を2人増やし、コンプライアンス部署を新設する。だが、安全を軽視する体質を抜本的に改めるのは、並大抵のことではない。

 施工不良物件への対応でも、課題は山積している。

 全国にある約3万9000棟のうち、4月末時点で確認された施工不良物件は1万5600棟を超え、調査を終えていない物件も多く残る。国土交通省は10月までに補修を終えるよう指示したが、完了できるかは不透明だ。

 補修工事のため、転居が必要な約1万4000人への対応も遅れている。4月末時点でまだ約9000人の住み替えの予定が決まっていない。入居者の安全確保を第一に、対処を急ぐ必要がある。

 アパートを所有するオーナーにも不安が広がっている。十分な説明や補修工事が求められる。

 補修費用の計上で、レオパレスの今年3月期の連結最終利益は686億円の赤字だった。アパートへの入居率も下がっている。

 傷ついたブランドイメージの回復には、再発防止の取り組みを地道に進めていくしかあるまい。

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618566 0 社説 2019/06/04 05:00:00 2019/06/04 05:00:00

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