農協改革5年 本業強化へさらに努力続けよ

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 農協の運営を効率化して、創意工夫で農家の所得増につなげる取り組みは、道半ばだ。改革の手を緩めてはならない。

 政府による農協改革の「集中推進期間」が5月末で終わった。規制改革会議の答申を受けて、成長戦略の目玉として2014年に打ち出された。

 全国農業協同組合中央会(JA全中)を頂点とする「上意下達」の体質を改め、個々の農協の経営の自由度を高める。それにより、「攻めの農業」への転換を促すことが狙いだった。

 農家は高齢化し、担い手も減っている。コスト低減や農産物の販売増などには農協の支援が重要となる。5年の成果を総括し、次の改革につなげることが大切だ。

 JA全中によると、グループの農産物の取扱額は、14年度の4兆3260億円から17年度に4兆6840億円と、8%ほど増えた。消費者ニーズに応える生産や販売が実を結んでいるという。

 資材販売を担う全国農業協同組合連合会(JA全農)は、割高と批判された肥料の調達で入札制度を導入したほか、扱う銘柄数を減らし、価格を1~3割下げた。

 トラクターも、機能を絞った低価格モデルの開発をメーカーに依頼し、2~3割安くした。

 今年の規制改革推進会議の答申は、一連の改革に「一定の進捗しんちょくが見られた」と評価した。

 5年前は全国に約700あった農協は、約600にまで再編が進んだ。奈良や沖縄など5県では、「1県1農協」を実現した。さらなる合理化を目指してほしい。

 気になるのは、多くの農家が、これまでの改革の進展を実感できていないことである。

 農林水産省は昨年、農協と農家にアンケートを実施した。農産物の販売見直しについて、「具体的な取り組みを開始した」との回答は農協で93%だったが、農家では38%にとどまった。

 農協の8割は農産物の販売など経済事業が赤字だ。信用(金融)事業と共済事業の利益で穴埋めしている。こうした収益構造が本業立て直しを遅らせていないか。

 政府は、信用事業を農林中央金庫などの上部団体に譲渡し、農協は窓口だけ残すよう促す。だが、応じるのは10農協に満たない。

 マイナス金利政策の中、地方銀行と同様に信用事業の環境は厳しさを増している。経済事業の強化に注力すべき時だ。

 より多くの農家が恩恵を実感できるよう、農協には不断の自己改革に努めてもらいたい。

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625074 0 社説 2019/06/07 05:00:00 2019/06/07 05:00:00

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