自民参院選公約 中長期の視点で処方箋を示せ

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 内政や外交の課題は山積している。中長期的な戦略に基づく処方箋を示し、着実に実行することが政権党の責務だ。

 自民党が参院選の公約を発表した。「強い経済」の構築に向け、ロボットや人工知能(AI)による第4次産業革命の推進を掲げたのが特徴だ。

 技術革新を進め、競争力を向上させる狙いは妥当だ。民間と連携して取り組む必要がある。

 公約には、10月に消費税率を10%に引き上げると明記した。ポイント還元制度など、様々な経済対策を講じる方針を盛り込んだ。

 財政再建を進め、社会保障を支えるうえで、消費税は重要な財源だ。政府と連携し、円滑に実施する環境を整えてもらいたい。

 安倍内閣が重視する「人生100年時代」への取り組みも柱に据えた。年金受給開始時期の選択制を拡大し、介護の受け皿整備を進める。超長寿社会に対応した、柔軟な仕組みづくりは急務だ。

 物足りないのは、社会保障制度を財政的に安定させる具体的な方策である。高齢者人口が増えるにつれ、現役世代の負担感は強まる。医療や介護の給付を抑制し、経済力のある高齢者には応分の負担を求めていかねばならない。

 将来世代にツケを回さないため、社会保障改革の全体像を示し、国民の理解を広げるべきだ。

 過疎化が進む地方への目配りも重要となる。公約には、若者による起業や就業支援、外国人観光客の誘致などを列挙した。

 人口の維持が難しい地域では、行政の広域化などの対応策を論じることも大切である。

 外交では、主要20か国・地域(G20)首脳会議を大阪で開くことを踏まえ、貿易や環境分野などでルール作りを主導する方針を明記した。北朝鮮による日本人拉致問題の解決も盛り込んだ。自民党として政府を後押しすべきだ。

 公約が「早期の憲法改正」を打ち出したのは、2020年の実現を目標に掲げる安倍首相の強い意欲の表れと言えよう。

 首相は参院選で、憲法の論議に応じない一部野党の対応を批判して、争点化する構えだ。

 国際情勢や社会の変化に合わせて、憲法を見直すことは政治の責任だ。改正に臨む姿勢について、国民に問う狙いは理解できる。

 公約では、国民の幅広い理解を得るため、党内外での憲法論議を活性化させる考えも強調した。

 自民党は各地で街頭活動などを精力的に行い、世論をさらに喚起することが求められる。

628435 0 社説 2019/06/09 05:00:00 2019/06/09 05:00:00

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