NHK同時配信 節度ある事業運営が必要だ

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 業務の肥大化への懸念が拭えない。公共放送として、節度ある事業運営が求められる。

 改正放送法が国会で成立した。NHKのテレビ番組を放送と同時にインターネットに流す「常時同時配信」の解禁が決まった。2019年度中の実施を目指している。

 NHKは現在、災害や大きなニュースに限り、放送に合わせて番組をネット配信している。

 改正法が施行されれば、地上波の「総合」と「Eテレ」の全番組に対象が拡大される。

 便利になるとはいえ、必要性について審議が尽くされたのか疑問が残る。受信料制度に支えられている以上、費用対効果や放送業界に与える影響を、引き続き精査しなければならない。

 NHKの役割は良質な番組を放送することにある。ネット配信はその補完にすぎず、NHKは、ネット事業費の上限を「受信料収入の2・5%」と定めてきた。

 問題は、これを維持する姿勢がNHKに見えないことである。

 20年度以降の予算に関し、上田良一会長は「適正な上限の中で抑制的な管理に努めたい」と繰り返している。制度が変わるからといって予算をなし崩しに増やすのではなく、コスト管理を厳しくして現行枠の維持に努めるべきだ。

 同時配信について会計上の透明性を高めることも欠かせない。

 18年度の受信料収入は7122億円に上った。繰越金の残高も1100億円を超える。広告に頼る民放に比べ財務内容は盤石だ。

 衆参両院の総務委員会は付帯決議をそれぞれ可決し、公正性確保の観点から、同時配信を適正な規模で実施するよう求めた。NHKは重く受け止める必要がある。

 改正法は、同時配信の実施にあたり民放と協力するよう努力義務を課した。民放の意見にも十分耳を傾けねばならない。

 NHKは受信料を10月の消費増税時に据え置き、20年10月からは2・5%値下げする予定だが、これで十分なのか。子会社の統廃合や、番組制作費を含めた経費の削減を徹底し、視聴者へのさらなる還元を検討すべきだろう。

 高精細の「4K」「8K」放送が昨年12月に始まり、NHKが保有するテレビチャンネル数は4から6に増えた。放送波の早期削減も重要な課題になる。

 テレビを保有せず、スマートフォンやパソコンで番組を視聴する人はこれから増えよう。こうした世帯にどう対応するのか、早急に詰めることが大切だ。

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634765 0 社説 2019/06/13 05:00:00 2019/06/13 05:00:00

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