首相イラン訪問 緊張緩和への歩みを進めたい

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 米国とイランの深刻な対立を打開し、中東の緊張を緩和する。その歩みを継続して進めたい。

 安倍首相がイランを訪問し、ロハニ大統領と会談した。首相は「軍事衝突は誰も望んでいない」と述べ、ロハニ師も「イランも戦争は望んでいない」と応じた。

 日本はエネルギーの大半を中東に依存する。原油輸送の大動脈であるホルムズ海峡で不測の衝突が起きれば、大きな打撃を受ける。両首脳が衝突を回避する必要性で一致した意義は小さくない。

 ロハニ師は「地域の緊張の根源はイランに対する米国の経済的戦争にある」と主張し、米国による制裁の解除を改めて要求した。

 両国間の相互不信を和らげ、対話の環境を整えるには一層の外交努力が欠かせない。

 最高指導者のハメネイ師とも、首相は会談した。政教一致体制のイランでは、ハメネイ師が重要事項に関する最終決定権を持つ。外国首脳と会うのはまれだ。

 首相はトランプ米大統領の立場をハメネイ師に伝えた。ハメネイ師は「核兵器を製造も保有も使用もしない。その意図はない」と語ったという。

 一方、イラン側の発表によると、ハメネイ師は米国との対話を拒否する姿勢を示した。

 日本は橋渡し役として、核問題の解決と中東の安定に向けて、粘り強く取り組むことが大切だ。

 重要なのは、2015年のイラン核合意の存続である。

 イランの核計画の制限期間は10~15年に限られる。弾道ミサイル開発への規制も含まれていない。米国はこれらの不備を理由に合意から離脱した。だが、合意が崩壊すれば核開発の歯止めが失われ、情勢はより悪化するだろう。

 イランは英仏独などに対し、米国の制裁に従わず、原油取引を支援するよう求めている。実現しなければ、核合意の履行を停止し、高濃度の濃縮ウラン生産など核開発を本格化すると表明した。

 自ら合意を破れば、核合意を支持する欧州や日本の信頼を失い、国際的な孤立が進む。そのことをイランは自覚せねばならない。

 敵対するサウジアラビアのタンカーやパイプラインに対する攻撃では、イランの関与が疑われている。シリアやイエメンの内戦への介入も含め、地域を不安定化させる行動の自制が求められる。

 米国もいたずらに軍事的な圧力を高めるべきではない。制裁の目的がイランの体制転換ではないことを明確にする必要がある。

無断転載禁止
636936 0 社説 2019/06/14 05:00:00 2019/06/14 05:00:00

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