民泊法1年 健全化へ課題の検証が必要だ

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 民泊を健全なビジネスに育てるには、地域住民の不安解消が不可欠だ。訪日外国人客の受け皿とするために、課題の再検証が求められる。

 民泊に関するルールを定めた住宅宿泊事業法(民泊法)が施行されてから、1年が経過した。

 施行前、民泊は訪日外国人と家主を結ぶインターネットサイトの登場で急増した。多くは、旅館業法の許可を得ていなかった。

 民泊法が施行され、都道府県などへ届け出をすれば、合法的に民泊業を行えるようになった。営業日数を年180日に限定するといった規制も設けられた。

 施行当初、届け出件数は2000件程度だったが、今月7日時点で約1万7000件に増えた。旅館業法よりも参入のハードルを下げたことで、ルールに沿った民泊が定着しつつあると言えよう。

 安さだけでなく、日本の生活に触れられることを喜ぶ訪日客が多いという。日本文化への理解を深めてもらう効果に期待したい。

 ただ、普及の大前提となる地域社会との共存は道半ばだ。

 国土交通省の調査によると、分譲マンションの管理組合の95%が規約などで民泊を禁じている。不特定多数の人が出入りすることを嫌がる居住者が多い。

 都市部では、民泊宿泊者による騒音や、ゴミ出しなどのマナー違反への苦情が後を絶たない。

 届け出なしで営業する「ヤミ民泊」の横行も続く。昨年9月末時点で、民泊予約サイトが扱う物件のうち16%が違法か、違法の疑いがあるものだった。

 観光庁は、届け出物件のデータベースを作成し、仲介サイト業者に非合法物件の削除を求めている。民間側の協力が重要だ。

 仲介業者は、民泊法に基づく登録制となったが、海外には日本国内の物件を扱う無登録サイトもある。サイトを通じた対策には、限界があるのが実情だ。

 ヤミ民泊は、定期的な清掃などルールが守られない例が多い。自治体や警察が連携し、監視とトラブル防止に努める必要がある。

 民泊は、宿泊施設が少ない地方への広がりが期待されるが、現状では地域差が大きい。

 届け出数は東京が約5800件、北海道と大阪では2000件を超えるが、秋田は12件、最少の福井はわずか8件にとどまる。

 民泊法とは別に、花火大会や祭りなど特定のイベント期間だけ営業できる「イベント民泊」という制度もある。民泊を地方活性化につなげる方策を探りたい。

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640277 0 社説 2019/06/16 05:00:00 2019/06/16 05:00:00

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