チケット転売 健全な流通で文化を支えたい

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 多くの人が、音楽公演やスポーツを手頃な価格で楽しめる。そのための対策強化が望まれる。

 チケットの不正転売を禁止する法律が施行された。これまで取り締まりが難しかったインターネット上のダフ屋行為を規制するのが主眼である。

 主催者の同意なしに、定価よりも高い値段でチケットの転売を繰り返す行為や、転売目的での譲り受けが処罰の対象だ。違反すると1年以下の懲役もしくは100万円以下の罰金が科される。

 コンサートや舞台公演のほか、近く購入手続きが始まる東京五輪のチケットも対象となる。秋にはラグビー・ワールドカップも控える。この時期の法整備は適切だ。

 近年、目立つのが、チケットを大量に買い占め、転売サイトを利用して高額で売りさばく動きである。多くのファンがチケットを定価で購入できない事態が生じている。音楽家からは、高額転売に反対する声明が出されていた。

 高額転売されても、主催者側には正規の料金が入っているため、表面的な損害はない。だが、転売のあおりで、収入の多くない若者がコンサートや舞台を見に行けなくなれば、長期的には音楽、演劇文化の衰退を招きかねない。

 チケットが購入希望者に適正に行き渡る。新法の施行をその契機とすることが重要だ。

 不正対策として、販売時に購入者の氏名を登録し、入場時に本人確認を行う取り組みが広がっている。新法も主催者にこうした措置を促す努力義務を課している。

 入場するのが購入者本人と確認できれば、ダフ屋が介在する余地はなくなる。ただし、顔認証システムなど最新の技術を導入すると、多大なコストがかかる。確認作業を厳重にすれば、入場が滞るといった課題も出てくる。

 ファンに不都合を感じさせないような工夫が求められよう。

 一方で、チケットを購入しても、急な都合で公演に行けなくなる人も少なくない。

 主催者側の同意を得て、定価や定価以下で転売するサイトが生まれている。こうした仕組みを拡充することが欠かせない。

 音楽業界では、CDなどの販売量は減る一方、生の演奏に接するライブやコンサートのチケットの売上高は増えている。体験を重視する「コト消費」志向の高まりが背景にあるのだろう。

 音楽や演劇の公演は、今後も成長が期待できる有望な分野と言える。チケットの健全な流通を通じて豊かな文化を支えたい。

無断転載禁止
641583 0 社説 2019/06/17 05:00:00 2019/06/17 05:00:00

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