70歳雇用 働き続ける環境どう整えるか

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 人生100年時代を見据え、高齢者が活躍する場をどのように広げていくか。様々な角度から考えることが重要だ。

 政府は、従業員が希望すれば70歳まで働けるよう雇用機会を確保することを、企業の努力義務とする方針だ。来年の通常国会への関連法案提出を目指す。

 日本は少子高齢化が急激に進み、生産年齢人口が減少している。今は約7500万人だが、2040年には6000万人を切る見込みだ。このままでは社会の活力を維持していくのは難しい。

 意欲ある高齢者にできる限り働いてもらうことが望ましい。

 元気な高齢者は増えている。20年前と比べて、体力が10歳若返っているというデータがある。

 65歳から69歳までの就業率は47%なのに対し、60歳代後半で「収入を伴う仕事をしたい」と希望する人の割合は65%に上る。働く意思を持っているのに、その機会に恵まれない人は多い。

 高齢者が働ける仕組みを整えることは大切だろう。新たに収入を得る人が増えれば、消費を喚起する効果が期待できる。

 課題は少なくない。一つは、高齢者をどう処遇するかだ。定年後に再雇用する場合、賃金が下がるケースが目立つ。高齢者の希望との開きは大きい。

 人件費が限られる中で、高齢者の処遇を手厚くすれば、現役世代にしわ寄せが及ぶ。経営体力に乏しく、高齢者を雇い続ける余裕がない中小企業もあるだろう。

 政府の方針では、働く場の選択肢として、起業やNPOなどの社会貢献活動が例示されている。起業のノウハウやNPOとのネットワークを持っている人は限られる。企業が高齢の従業員の挑戦を後押しすることが欠かせない。

 厚生労働省の審議会は今後、70歳雇用の制度設計に向けた具体的な検討を始める。実効性を踏まえた丁寧な議論が求められる。

 70歳まで働く社会になれば、公的年金の見直しも迫られよう。

 現行の受給開始年齢は原則65歳で、開始時期を66歳以降に遅らせれば、給付額が増える。さらに70歳超の受給開始も可能にし、給付額を上乗せする案が出ている。検討に値するのではないか。

 一定の収入がある高齢者の年金を減らす在職老齢年金について、「働く意欲をそいでいる」として廃止を求める声がある。ただし、廃止すれば新たに支払う年金の財源を手当てする必要がある。

 生涯現役社会を支える年金制度のあり方を議論すべきだ。

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649347 0 社説 2019/06/21 05:00:00 2019/06/21 05:00:00

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