成長戦略 民間の挑戦促す原点に戻れ

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 人口減少の中で、いかに経済を成長させるか。日本が背負う難題の解決に向け、政策の大胆な重点化が必要だ。

 政府が、今年の成長戦略実行計画を閣議決定した。「経済財政運営と改革の基本方針(骨太の方針)」を中心とした「政府4計画」の一つである。

 成長戦略は、技術革新や生産性向上を通じて民間活力を引き出すことが狙いだ。金融、財政政策に続くアベノミクスの「第3の矢」だが、まだ成果は乏しい。

 経済の地力を示す潜在成長率は、なお1%程度の低水準だ。

 昨年の成長戦略で打ち出した152施策も、目標達成のメドが立ったのは3分の1にとどまる。原因を究明し、スピード感を持って政策を実行してもらいたい。

 今回は、地方対策を柱の一つに掲げた。地方銀行と路線バス会社の経営統合や共同経営を促す。いずれも地方を支えるインフラ(社会基盤)だ。再編で経営基盤強化を目指す方向性は妥当だろう。

 現状では、地域内の市場シェア(占有率)が高まり、公正取引委員会が地域独占だと判断すると、統合に待ったがかかる。

 そこで特例法を設け、一定の条件を満たせば、独占禁止法の適用除外とするとした。

 ただ、これらの措置は、地方の地盤沈下を止めるための方策に過ぎない。地方経済を担う人材確保や観光戦略の強化、新産業育成などの抜本策が欠かせない。

 成長戦略は雇用改革にも力点を置く。70歳までの就業機会の確保や中途採用の拡大、兼業・副業の推奨などを盛り込んだ。

 企業や労働者の意識改革には、時間がかかろう。粘り強い取り組みが求められる。

 気になるのは、ビッグデータの有効活用や、次世代通信規格「5G」関連の施策が新味に乏しいことだ。本来なら、成長戦略の「本丸」であるべき分野だろう。

 主要課題に位置付けたのは、デジタル市場のルール整備である。グーグルなど「GAFA」と呼ばれる米巨大IT(情報技術)企業を念頭に、動静を監視する政府の専門組織創設を打ち出した。

 だが、日本企業がどう挑んでいくか、明確なビジョンは描けていない。5Gも、世界で主導権争いが激しい。技術開発や普及を後押しする施策は踏み込み不足だ。

 新分野への挑戦を支援する。成長戦略の原点に立ち返りたい。

 「政府4計画」は重複が多く、役割分担も不明確だ。政策の優先順位を整理し直すべきである。

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652666 0 社説 2019/06/23 05:00:00 2019/06/23 05:00:00

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