日産・ルノー 対話重ね信頼関係の修復を

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 ガバナンス(企業統治)改革が一歩前進したことは評価できる。信頼と業績の回復を急ぎたい。

 日産自動車の株主総会で、経営の監督と執行を分ける「指名委員会等設置会社」に移行する議案が可決された。

 前会長のカルロス・ゴーン被告に権力が集中し、不正を許した。組織変更は、その反省から打ち出された経営改革の目玉である。

 経営を監督する取締役11人のうち、過半の7人は独立社外取締役とした。外部の目を生かし、改革の実効性を高めてもらいたい。

 総会で、ゴーン体制を支えた西川広人社長兼最高経営責任者(CEO)の責任を問う声も出た。西川氏は「残された責任を果たすべく、後継体制の確立を加速していく」と述べた。批判を謙虚に受け止め、再建に取り組むべきだ。

 問題は、日産に4割超を出資する筆頭株主の仏ルノーとの関係が冷え込んでいることである。

 指名委員会等設置会社では、取締役候補を決める「指名」など3委員会が設けられる。

 日産は当初、ルノーからジャンドミニク・スナール会長だけを指名委員に起用する考えだった。ルノー側は反発し、改革案の採決を棄権する意向を表明した。

 棄権すれば議案は可決できなかったとみられる。日産は、ルノーのティエリー・ボロレCEOにも、職務遂行をチェックする監査委員ポストを割り当てる譲歩案を示した。事態は収拾したが、ルノーの経営への関与は強まろう。

 外部有識者が3月にまとめたガバナンス改善の提言は、監査委員について主要株主の役員との兼職は望ましくないと明記していた。大株主の利益を代弁する恐れがあるとの理由だ。報告書の趣旨に反した人事には疑問も残る。

 ルノーは日産との経営統合も模索し続けている。独立性を維持したい日産が、ルノーの対応に不信感を募らせるのは無理もない。

 一方、ルノーは欧米自動車大手フィアット・クライスラー・オートモービルズ(FCA)との統合構想をいったん白紙に戻した。

 この交渉の事実は、発表直前まで日産に知らされていなかった。日産とルノーの意思疎通が十分とは言い難い。まずは対話を積み重ねることが求められる。

 日産グループは、従業員が約14万人、取引先は部品メーカーを含め数千社に上る。その浮沈は地域経済にも大きな影響を及ぼす。

 両者が信頼関係を修復し、世界2位の自動車連合として競争力を強化していくことが大切だ。

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657682 0 社説 2019/06/26 05:00:00 2019/06/26 05:00:00

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