G20首脳会議 成長持続へ結束取り戻したい

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 世界経済の持続的な成長には、各国が協調して自由貿易の推進などに取り組むことが不可欠だ。その重要性を確認した意義は小さくない。

 主要20か国・地域(G20)首脳会議が閉幕した。

 首脳宣言は、焦点の貿易分野で「自由、公平、無差別で、透明性がある貿易と投資環境を実現するよう努力する」と明記した。海洋汚染を引き起こすプラスチックごみの削減でも合意した。一定の成果を出せたことは評価できる。

 世界貿易機関(WTO)については改革の必要性で一致した。

 WTOは関税や産業補助金を巡る加盟国間の紛争処理を担う。その機能は低下しており、多くの国が不満を強めている。とりわけ米国は、中国の不公正な貿易慣行を放置しているとして批判的だ。これを機に議論を進めたい。

 安倍首相は議長国としての記者会見で「各国間の対立を際立たせるのではなく、共通点を見いだすことに力を入れた」と述べた。

 象徴的だったのは温暖化対策の国際的枠組み「パリ協定」の扱いだ。首脳宣言は、協定実行への決意を盛り込む一方で、協定からの離脱を表明した米国にも配慮を示すことで何とか決着した。

 注目されるのは、デジタルデータの流通に関する国際ルール作りで合意した点である。

 電子商取引などを通じて膨大なデータが国境を越えてやり取りされている。それらの活用は新たなビジネスチャンスにつながるが、個人情報の保護や安全性の確保への対応も必要になる。ルール創設の方向性に異論はなかろう。

 肝心なのはこれからだ。

 巨大IT(情報技術)企業を多く抱える米国が厳しい規制に慎重なのに対し、中国は国主導でデータの国外への持ち出しを制限している。欧州連合(EU)はプライバシー保護に軸足を置く。折り合うのは容易ではない。

 国際展開するIT企業などへの法人課税のあり方でも各国の差は大きい。現実的な解決策を粘り強く探ることが求められる。

 G20会議は、2008年のリーマン・ショック後の金融危機に共同で対処する目的で始まった。

 世界の国内総生産(GDP)の8割以上を占めるG20が原点に立ち返り、団結を取り戻す。そのために日本は国益を追求しつつ、主導的な役割を果たすべきだ。

 自国の主張を通しやすい2国間交渉を重視する米国を、いかに多国間協議の枠組みにとどまらせるか。日本の手腕も問われよう。

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665627 0 社説 2019/07/01 05:00:00 2019/07/01 05:00:00

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