対韓輸出厳格化 文政権は信頼に足る行動とれ

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 崩れた信頼関係の回復へ、韓国政府は責任ある行動をとるべきだ。

 日本政府は、半導体製造などに必要なフッ化水素を含む3品目について韓国向けの輸出管理を厳格化した。輸出のたびに政府の許可を受けなければならず、審査に90日程度かかるようになる。

 さらに輸出手続き簡略化の優遇措置を受けられる「ホワイト国」から韓国を除外する手続きに入った。8月にも政令を改正する。

 多くの企業では、3品目だけでなく、炭素繊維や通信機器など軍事転用の恐れがある幅広い品目で輸出審査が厳しくなりそうだ。

 理由について、日本政府は「日韓関係が著しく損なわれ、信頼関係の下で輸出管理に取り組むことが困難になった」と説明する。

 韓国が元徴用工訴訟を巡る問題などで国家間の約束を守らない現状を、これ以上看過できないと判断したのだろう。

 輸出管理当局同士の協議もほとんど行われておらず、日本政府が「信頼関係」が損なわれたと結論づけたのは、やむを得まい。

 中国が以前、モーターなどに必要なレアアース(希土類)の輸出枠を削減し、世界貿易機関(WTO)ルールに反すると認定された。今回は輸出手続きを厳しくするだけで輸出制限とは異なる。

 韓国側は「常識に反する報復措置だ」と反発し、WTOへの提訴を検討している。だが、そもそも事態をここまで悪化させた責任は文在寅政権にある。

 韓国最高裁が日本企業に元徴用工への賠償を命じた後、問題を放置した。請求権問題の完全な解決を明記した日韓請求権・経済協力協定に違反する、という日本政府の訴えに耳を傾けなかった。

 韓国政府は最近になって、日韓双方の企業の拠出金を元徴用工に支給する「解決案」を示したが、受け入れられるはずもない。文政権は対応を再考すべきである。

 規制対象の3品目は日本企業の占有率(シェア)が高い。輸出手続きが長期化すれば、韓国メーカーによる半導体製品やディスプレーの生産が滞る恐れがある。

 結果的に韓国製品を使った日本企業のテレビ生産などに影響が出る可能性もある。日本政府は推移を慎重に見極め、機動的に対応しなければならない。韓国に粘り強く対話を働きかけ、事態打開を目指すことも求められる。

 韓国側は国際社会を舞台とした外交戦、宣伝戦に訴える可能性が高い。日本政府は備えを万全にしておくことが欠かせない。

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675559 0 社説 2019/07/06 05:00:00 2019/07/06 05:00:00

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