年金制度 老後の生活に不安残さぬには

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 参院選で年金制度のあり方が争点に浮上している。年金を柱に、老後の生活設計をどう描くか。各党の主張に耳を傾け、じっくり腰を据えて考える機会としたい。

 高齢者が受け取る年金は、現役世代が納める保険料などで成り立っている。保険料は、現役世代から高齢者への「仕送り」に似ていると言われる所以ゆえんだ。

 少子高齢化により、高齢者人口は2040年頃まで増え続ける一方、現役世代は急速に減少する。年金制度の破綻を防ぐには、給付を抑えていかざるを得ない。

 この点に対処する仕組みは設けられている。2004年の改正で導入された「マクロ経済スライド」だ。少子高齢化の進行に応じて給付水準を緩やかに引き下げる。

 年金制度自体の持続性は確保されており、いたずらに不安を覚える必要はないだろう。

 ただ、この仕組みは十分機能していない。経済情勢が悪化すると、実施を制限するルールがあり、給付水準が高止まりしている。このまま、給付の抑制が遅れれば、将来世代の年金財源が減り、給付水準がさらに下がってしまう。

 経済情勢にかかわらず、マクロ経済スライドを確実に実施していくことが求められる。

 将来の給付水準が下がることを前提とすると、元気で意欲ある高齢者に、できるだけ長く働いてもらうという観点が欠かせない。

 個人にとっては、生涯に受け取る収入が増える。高齢者も年金制度の支え手に回ることで、年金財政にもプラスになろう。

 実現するには、会社だけでなく、社会貢献活動などの多様な働き場所を確保する必要がある。各党は具体策を論じてもらいたい。

 長く働いて、年金をもらう時期を遅らせ、リタイア後は上乗せした年金を受け取る。こうしたライフスタイルが想定される。

 現在は原則65歳から年金を受け取り、66歳以降に遅らせると給付額が増える仕組みだ。さらに、70歳超の受給開始も可能にし、給付額を上乗せする案が、政府内で検討されている。

 老後の生活に困る人をいかに少なくするかも重要な論点だ。

 パートらの非正規労働者は、会社員らが加入する厚生年金の対象から外れている人が多く、老後は基礎年金しか受け取れない。

 複数の党が厚生年金の適用対象を広げる方針を掲げている。実現に向けた道筋を示してほしい。

無断転載禁止
676790 0 社説 2019/07/07 05:00:00 2019/07/07 05:00:00

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