[参院選]消費増税 高齢化を見据え議論深めよ

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 増税の是非に議論を終始させてはならない。少子高齢化の厳しい現実を見据え、踏み込んだ論戦を展開すべきだ。

 主に働く現役世代に課税される所得税とは違い、消費税は退職後の高齢者をはじめ幅広い層が負担している。税収は景気変動に左右されにくい。消費税が社会保障制度を支える安定財源と言われるゆえんである。

 増税を喜ぶ人はいない。だが、若者が減る一方、高齢化で医療や年金、介護の支出は増え続けていく。負担を現役世代ばかりにしわ寄せするのは無理がある。高齢者にも相応の負担を求めざるを得ない。

 参院選では、10月の消費税率10%への引き上げを巡って、与党は予定通りの実施を主張し、野党側は凍結・中止を訴えている。

 危機的な経済状況に陥らない限り、税率引き上げが望ましい。増えた税収の使い道を国民に納得してもらえるよう丁寧な説明に努めねばならない。景気下支えに万全を期すことも重要になろう。

 今回、一部の税率を8%に据え置く軽減税率が初めて導入される。酒類・外食を除く飲食料品と定期購読される新聞が対象だ。欧州などでは定着している制度であり、円滑な実施が欠かせない。

 消費税率がさらに上がっていけば、高齢世帯や低所得世帯を含め、家計の負担を和らげる軽減税率の意義をより実感できよう。

 安倍首相は、今後10年程度は消費税率を10%から上げる必要はないとの考えを示した。しかし、2025年に団塊の世代が75歳以上になり、40年に高齢化はピークを迎える。「税率10%超」の議論を封印してはならない。

 12年に与党の旧民主と、野党だった自民、公明の3党が「社会保障・税一体改革」で合意し、消費税率10%への道筋が固まった。

 当時閣僚を務めていた立憲民主党の枝野代表は、3党合意について「結果的にあの判断は間違っていた」と述べた。人ごとのような発言は理解に苦しむ。

 野党は、積み上がる企業の内部留保に着目し、消費増税の代わりに、法人税引き上げなどを主張する。これも問題は多い。

 世界は法人減税の流れにある。増税すれば日本に進出する海外企業の減少や国内産業の競争力低下につながる恐れがある。法人税収は不況期には急減する。法人税に頼る財政運営は危うい。

 法人増税よりは、賃上げを促す税制の拡充などを検討したい。

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684212 0 社説 2019/07/11 05:00:00 2019/07/11 05:00:00

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