かんぽ保険販売 顧客軽視の姿勢が目に余る

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 顧客に不利益を与える営業など、本来あってはならない。管理体制を抜本的に見直し、顧客保護を徹底するべきだ。

 日本郵政傘下のかんぽ生命保険と日本郵便は、保険の乗り換えで不適切な契約があったと認め、謝罪した。疑いのある契約は9万件を超える。

 弁護士などによる第三者委員会を設け、実態を調べる。全容解明を急がねばならない。

 かんぽ生命などによると、契約者が保険料を重複して払う二重契約が約2万2000件あった。解約から新契約を結ぶまでに4~6か月間、無保険状態となった例も約4万7000件発覚した。

 かんぽ生命の植平光彦社長は、「顧客本位の募集を徹底できなかった」と説明した。

 新契約を得ても、以前の契約が6か月以内に解約されれば「乗り換え」扱いとなり、営業成績や手当は新契約の半分になる。これを防ぐため、意図的に解約のタイミングを遅らせ、二重契約を結んでいた疑いがある。

 保険を販売する郵便局員らが、営業目標を達成しようと、顧客に不利益になる契約を繰り返していたとすれば、許されまい。

 日本郵便は、先細りする郵便事業の収入をゆうちょ銀行とかんぽ生命からの販売委託手数料で補っている。不適切な契約が横行した背景には、行き過ぎた「ノルマ主義」があったのではないか。

 ゆうちょ銀でも先月、高齢者に対して社内ルールに反する投資信託販売をしていたことが分かった。日本郵政全体の企業統治(ガバナンス)が問われている。有効な改善策を講じてこなかった経営陣の責任は極めて重い。

 日本郵政は、国の信用をバックにしている。そこで不適切な営業が行われていたのは悪質だ。

 6月に問題を指摘された後の対応の悪さも看過できない。かんぽ生命などは当初、「法令違反はない」と否定していた。初動の遅れが信頼を著しく損なった。

 今後、二重契約となった人から余分に受け取った保険料を返金する。乗り換えを勧める営業をやめ、営業目標も引き下げる。

 顧客に対する救済措置と再発防止に万全を期す必要がある。経営陣から現場の社員まで、意識改革を断行することが欠かせない。

 金融庁は2017年、「顧客本位の業務運営に関する原則」をまとめ、適切な商品販売を金融機関に求めてきた。今回の問題を深刻に受け止め、行政処分を含む厳正な対応を検討すべきである。

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687005 0 社説 2019/07/12 05:00:00 2019/07/12 05:00:00

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