[参院選]産業再生 民間活力呼ぶ長期戦略を語れ

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 経済再生には、産業活力を高めることが欠かせない。デジタル革命を競争力強化につなげる施策を競ってもらいたい。

 アベノミクスは、異次元の金融緩和などで企業業績や雇用の改善を果たした。ただ、民間の技術革新や生産性の向上を図る成長戦略は成果に乏しい。各党の知恵の絞りどころだろう。

 自民党は公約で、AI(人工知能)、IoT(モノのインターネット)やデータの活用による第4次産業革命を掲げ、自動運転やキャッシュレスも進めるとした。

 国民民主党は、異分野の幅広い知見や技術を結集する「オープン・イノベーション」の推進を唱えた。立憲民主党は、「助成拡充によるAIなど先端技術の研究開発の促進」を訴えている。

 いずれも方向性はうなずけるが、それを企業の「稼ぐ力」に結びつける具体性に欠けている。

 例えば、企業には約450兆円の内部留保がある。潤沢な余剰資金を使わない手はない。

 企業の先行きへの不安を取り除き、前向きな投資を促す。それには、国が支援する分野を大胆に絞り込む必要があろう。

 多くの企業は人手不足克服のための省力化投資に注力している。介護向けでは、自動で寝返りを助けるベッドやロボットによる配膳などの普及が期待されている。

 そうした試みを後押しし、医療も含めて高齢化で需要が増える分野の生産性を上げてはどうか。

 これまでの慣習を改めることも重要だ。日本では、自社での独自開発にこだわる「自前主義」が根強い。それが技術革新を妨げる一因とも指摘されてきた。

 次世代通信規格「5G」では、高速・大容量の技術を使い、いかに新たなサービスを生み出すかが問われる。自動運転、遠隔医療からVR(仮想現実)を活用した娯楽まで可能性が広がる。

 通信会社にとどまらず、多様な業種の企業の力を融合させる必要がある。企業再編が有効な場合もあろう。オープン・イノベーションへの具体策が求められる。

 AIに詳しい専門人材が足りないことも気になる。雇用の流動化を進め、成長分野に人が移りやすい環境を整えたい。

 大学教育の見直しも含めて、人材の育成・活用に関する構造改革に取り組むべきだ。

 産業再生で力強い成長軌道を取り戻せば、財政再建や社会保障制度の安定化にもつながる。各党は目先のバラマキではなく、長期戦略を描くことが大切だ。

無断転載禁止
691471 0 社説 2019/07/15 05:00:00 2019/07/15 05:00:00

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