対韓輸出厳格化 文政権の日本批判は筋違いだ

メモ入力
-最大400文字まで

完了しました

 論点をすり替えて、日本非難に終始する韓国政府の姿勢は受け入れられない。韓国が自国の輸出管理体制を検証し、見直すことが先決だろう。

 日本政府が軍事転用の恐れがある3品目の韓国向け輸出を厳格化したことに、韓国が反発している。日本は手続き簡略化の優遇を受けられる「ホワイト国」からも韓国を除外する方針だ。

 日本が問題にしているのは、韓国の輸出管理の緩さである。日本の政府関係者によると、韓国では担当人員が少なく、日本の半分に満たない。通常兵器にも使われる物資の輸出を制限する「キャッチオール規制」も整っていない。

 日韓当局者の幹部協議は2017年に文在寅政権が発足してから開かれていない。不正輸出の懸念がある以上、日本が手続きを厳しくするのはやむを得まい。

 文大統領は、日本側に一方的に非があると主張し、「日本経済に、より大きな被害が生じることを警告しておく」と批判している。日本の措置を政治的、経済的な動機と決めつけ、自ら事態改善に動こうとしないのは残念である。

 主要国は、民生品であっても兵器開発に利用される可能性がある戦略物資の輸出には目を光らせてきた。日本も15年以降、経済産業省が行政処分を下した違法輸出を9件公表している。

 この中には、兵庫県の企業が3500キロ・グラム超の炭素繊維を、韓国を経由して中国に無許可で輸出していた案件も含まれている。

 一方、韓国政府は、15年~19年3月に戦略物資の違法輸出を156件も摘発したという。北朝鮮の友好国であるイランやシリアに化学物質などが輸出されていた。

 韓国政府は、この結果を輸出管理が適正に行われている根拠とする。だが、管理体制の甘さを考えれば、違法輸出全体が増えているとみるのが自然ではないか。

 そもそも欧州連合(EU)は韓国をホワイト国に指定せず、韓国向け輸出は、他のアジア諸国向けと同様に厳しく審査している。

 日本がEUと歩調を合わせるだけで、韓国が日本の措置を不当だと主張するのは理解に苦しむ。

 来週開かれる世界貿易機関(WTO)の一般理事会で、日本の措置が議論される見通しだ。日本は正当性を主張する必要がある。

 日本政府は今回輸出手続きを厳しくした3品目で不適切な事案を確認したとしているが、中身を明らかにしていない。説得力を持たせるため、審査に支障がない範囲で丁寧な説明に努めるべきだ。

無断転載禁止
693920 0 社説 2019/07/17 05:00:00 2019/07/17 05:00:00

おすすめ記事

読売新聞購読申し込み

アクセスランキング

読売IDのご登録でもっと便利に

一般会員登録はこちら(無料)
ページTOP
読売新聞社の運営するサイト
ヨミダス歴史館
ヨミドクター
発言小町
OTEKOMACHI
元気ニッポン!
未来貢献プロジェクト
The Japan News
美術展ナビ
教育ネットワーク
活字・文化プロジェクト
よみうり報知写真館
読売新聞社からのお知らせ