働き方改革 多様な人材が活躍する社会に

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 働き方を見直し、多様な人材が活躍できる環境を整える。それが日本の社会や経済の活力を維持する、という視点を忘れないようにしたい。

 出産後も女性が子育てしながら働き続ける。家族の介護が必要になっても仕事と両立できる。中高年になってからスキルを身につけ、新たな仕事を始める。

 こうした柔軟な働き方を可能にすることが重要だが、実現に向けて克服すべき課題は多い。

 その一つが、長時間労働の是正だ。働き方改革関連法が4月から順次、施行され、これまで実質的に青天井だった残業時間に罰則付きの上限規制が設けられた。

 残業が恒常化した職場で働いていると、育児や介護をする時間の確保は難しい。結果的に、意欲と能力があっても仕事を続けられない人を多数生んできた。

 各党が参院選で、長時間労働の是正の必要性を訴えているのは当然だ。来年度からは、中小企業にも残業規制が適用される。着実に残業時間を減らすためにも、経営体力が強くない中小企業に目配りする施策が欠かせない。

 同時に、仕事の中身を見直して無駄を省いたり、情報技術(IT)を活用して業務の効率を高めたりする努力が企業に求められる。

 働き方の選択肢を増やしていくことも大切である。

 自宅などで働くテレワークや、出退勤時間を自分の都合に合わせて選べる制度を導入している企業が出始めている。自社の柔軟な働き方について取引先に説明し、理解を求める社長もいる。

 厚生労働省や経済団体は、取り組み事例をホームページなどで紹介している。各企業で共有し、実践に生かしてもらいたい。

 人生100年時代を見据え、新たな仕事にチャレンジしやすくすることも必要だ。職業訓練や、大学や専門学校での学び直しの場をさらに広げていきたい。

 働き方改革では、正規雇用と非正規雇用の不合理な待遇格差をなくすことも不可欠だ。

 非正規は雇用者全体の約4割を占め、賃金水準は低い。来年度から、「同一労働同一賃金」が順次、導入される。働きに見合う賃金が支払われるよう、労使でしっかり協議を重ねてほしい。

 非正規から正規への転換支援も拡充したい。現役世代が希望とやりがいを持って働ける状況を作ることが、将来への不安感の払拭ふっしょくにつながるはずだ。

無断転載禁止
697793 0 社説 2019/07/19 05:00:00 2019/07/19 05:00:00

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