エネルギー政策 安定供給と脱温暖化に責任を

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 エネルギーの安定供給のため、多様な電源をいかにバランス良く組み合わせるか。冷静で建設的な論議が望まれる。

 日本のエネルギー政策は岐路に立つ。東日本大震災後、原子力発電所が停止し、電力は火力発電への依存度が高まった。今も8割を超えている。

 火力の約4割を占める石炭火力は、燃料が安価で、発電も安定的だ。一方、温室効果ガスの排出量が多い。国際的に批判が強まり、投融資の見合わせや建設中止が相次ぐ。縮小は避けられまい。

 石炭以外の燃料である液化天然ガス(LNG)や石油は、中東情勢など地政学的なリスクで、調達難や価格高騰に直面する恐れがある。

 地球環境だけでなく、エネルギー安全保障の観点からも、火力への過度な依存を改めるべきだ。

 問題なのは、代替電源をどう確保するかである。

 参院選の公約で、各党は再生可能エネルギーの拡大を唱える。

 立憲民主党は「自然電力100%」を掲げ、国民民主党は「地域ごとに親和性の高い再生可能エネルギー導入」を訴える。

 再生エネの普及を促進することに異論はないが、主力電源にしていく道筋は険しい。太陽光や風力などの再生エネは現状、天候に左右されるなど供給が不安定だ。それを補うには、火力によるバックアップが欠かせない。

 再生エネはコストも高い。固定価格買い取り制度による国民負担は、年2・4兆円に上る。

 太陽光などの発電適地と、大都市などの消費地を結ぶ送電線の整備にも巨額の資金が要る。再生エネで電力を安定供給するには、低コストで大容量の蓄電池などを開発する必要がある。

 費用面でも技術的にも、現状では主力電源を担うのは難しい。

 当面は既存の原発を活用することが現実的ではないか。

 自民党は公約で、「立地自治体などの理解と協力を得つつ、再稼働を進める」と記した。政府も2030年に30基程度の稼働を目指すが、現在は9基にとどまる。

 原発は、発電コストが安く、二酸化炭素を排出しない。基幹電源として優れた特性を持つ。安全性を確認した上で、円滑に再稼働を進めることが求められる。

 技術や人材を承継していくには、長期的に原発を有効活用することが大切になる。安全性が高いとされる小型モジュール炉を含め、新増設を検討すべきだ。

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699706 0 社説 2019/07/20 05:00:00 2019/07/20 05:00:00

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