高校野球 過密な日程を改められないか

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 超高校級投手がマウンドに立てず、ベンチから涙で敗戦を見守った。胸を痛めたファンは多いことだろう。

 全国高校野球選手権岩手県大会の決勝戦で、県立大船渡高校は、エースの佐々木朗希投手が登板せず、花巻東高校に12―2で敗れ、甲子園出場を逃した。4回戦で見せた160キロの剛速球は、披露されずに終わった。

 監督は「故障を避けるため」と登板回避の理由を説明した。前日の準決勝で129球を投げるなど、今大会の球数が計4試合で、435球に達していたためだ。

 佐々木投手は監督の配慮に感謝しつつ、「投げたい気持ちはあった」と胸中を明かした。異例の判断をした監督も、従った佐々木投手も苦しんだことだろう。

 66チームの参加する岩手県大会で、大船渡は10日間で決勝戦を含む6試合を戦っている。投手という一選手に負担が集中する高校野球において、あまりに過密な試合日程ではないか。

 主催者側は、球場や審判員を確保できる期間が限られると説明する。7月に行われる期末試験の後に試合を集中させるという事情もある。他の都府県でも準々決勝以降の日程が厳しくなりがちだ。

 もう少し早く予選を始めて、試合間隔に余裕を持たせられれば、選手がけがをするリスクも減らせるだろう。北海道や沖縄県では、早期に開幕している。主催者側は高校側と協議して、日程の改善について検討してもらいたい。

 甲子園大会では、投手の肩を守るための方策が、徐々に取られている。昨春の選抜で、延長十三回から無死一、二塁でプレーを始めるタイブレイクが導入された。

 今夏の選手権大会から、準決勝と決勝の間に休養日ができる。これで投手の疲労回復に十分か。大会日程が長引くと、選手や応援生徒の滞在費用がかさむが、選手たちの体調を第一に考えたい。

 日本高校野球連盟では、球数制限の議論も始まっている。

 「1試合100球」を掲げた、新潟県高野連の問題提起が発端だった。ただ、球数制限には指導者や選手の反対意見も強い。

 1試合で制限すると、ファウルを狙って球数を稼ぐなどの弊害が懸念される。投手を複数そろえられない学校は不利になる。このため、複数試合で球数の上限を設ける方向で検討が進んでいる。

 日本高野連の有識者会議は11月末に結論を出す。夏に懸ける高校球児たちに悔いを残させないよう、知恵を絞ってほしい。

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714921 0 社説 2019/07/30 05:00:00 2019/07/30 05:00:00

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