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台湾総統選 安定した対中関係を築けるか

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 台湾の政治と経済の安定は、中国との関係に大きく左右される。中国が威嚇的な動きを強めるなかで、各候補がどんな対中政策を示すのか。論戦を注視したい。

 来年1月の台湾総統選で、再選をめざす民進党の蔡英文総統に対し、最大野党の国民党が韓国瑜・高雄市長を擁立した。若者に人気のある柯文哲・台北市長も出馬を検討しているが、選挙戦は2大政党の対決を軸に進む。

 最大の争点は、台湾統一をにらむ中国との関係だ。

 中国は、台湾への個人旅行を差し止める措置を発表した。長期化すれば、台湾経済は深刻な打撃を受ける。中国は台湾周辺海域で軍事演習も行っている。総統選に向けた揺さぶりは看過できない。

 蔡氏は、民進党綱領が掲げる「台湾独立」は唱えず、独立でも統一でもない「現状維持」という穏健な対中政策を取ってきた。

 それでも、中国との関係は悪化した。中国は「一つの中国」の原則を受け入れることを迫り、これに応じない蔡政権との対話を拒否したためだ。

 政権発足後、中国大陸からの観光客は激減した。パナマなど5か国が台湾と断交した。経済不振や外交的孤立を招いたことで、蔡氏への支持は急速に低下した。

 流れが変わったのは、中国の習近平国家主席が今年初めに「一国二制度」による中台統一を提起してからだ。蔡氏は「中国が一方的に現状を変えようとしている」と拒否し、対中批判を強めた。

 中国の露骨な圧力が蔡氏に有利に働いたのは間違いない。台湾の人々の対中警戒感が高まり、蔡氏の支持率が回復した。毅然きぜんとした対応が好感されたのだろう。

 「一国二制度」が適用されている香港で、中国の影響力拡大に抗議するデモが激化したことも、追い風と言える。蔡氏は中国の介入に警鐘を鳴らし、支持拡大につなげようとしている。

 蔡氏は7月に訪米し、対中強硬論が高まる米国との連携を印象づけた。中国に妥協しない姿勢を貫きつつ、緊張を高めない方策を示せるかが問われる。

 国民党の韓氏は、話術が巧みな庶民派で、支持率は蔡氏と拮抗きっこうする。対中関係を改善すると訴え、「中台の安定か、台湾海峡の危機かを選ぶ選挙だ」と主張する。親中路線に対する有権者の警戒感を払拭ふっしょくできるかが課題となろう。

 中国の総統選への介入を排し、台湾の自由と民主主義を守ることが重要である。

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725342 0 社説 2019/08/05 05:00:00 2019/08/05 05:00:00

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