韓国の協定破棄 日米との安保協力を傷つけた

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 北朝鮮が核・ミサイル開発を継続する中で、日米韓3か国の安全保障協力を揺るがす非常識な措置だと言えよう。

 韓国政府が日韓で軍事機密を守る軍事情報包括保護協定(GSOMIA)の破棄を決めた。日本が輸出管理を簡略化する優遇対象国から韓国を除外したことを理由に挙げている。

 日本の措置は、韓国の貿易管理制度や運用に不十分な点があったためだ。韓国がまず、管理体制の改善を図るべきだろう。

 韓国の文在寅大統領が15日の演説で対話を呼びかけても、日本側は反応しなかった、とも韓国側は強調する。文氏は、対立の根幹である韓国人元徴用工の問題について何ら具体策を示していない。理解に苦しむ主張だ。

 GSOMIAは、同盟国や友好国同士で、敵対する国の情報を秘密保護の対象として融通し合うものだ。映像、暗号などを協力して分析する枠組みは欠かせない。

 日韓両国は、2016年11月の協定締結以降、約30件の情報を交換してきたという。韓国軍は、北朝鮮のミサイル発射の兆候を探知する。海上自衛隊のイージス艦は日本海で、ミサイルの軌道や飛行距離を分析する。

 7月以降、北朝鮮が相次いで発射した新型短距離ミサイルについても、情報を共有してきた。

 協定の破棄により、韓国は、日本側のデータを直接得ることが困難になる。短距離ミサイルは、韓国を射程に収める。大きな脅威だ。韓国軍の抑止力を自ら低下させる措置を取っていいのか。

 米国は、協定の維持を韓国に求めてきた。ポンペオ国務長官が失望を表明し、同盟国の韓国に異例の不満を示したのは、日米韓の足並みの乱れが拡大することを懸念しているからだろう。

 今回の破棄で利益を得るのは、北朝鮮や中国である。米国を中心とした同盟の機能が低下する、という誤ったメッセージを送ることにより、東アジアの情勢が不安定化しかねない。

 河野外相が「地域の安保環境を完全に見誤った対応だ」と、韓国に抗議したのは当然だ。

 日本は、協定破棄による影響を最小限に抑える必要がある。自衛隊は米軍との協力を強化し、抑止力を保つことが不可欠だ。

 政府は、韓国政府との意思疎通を絶やさず、重層的に対話を続けていくべきだ。アジアの安保環境を冷静に分析し、日米韓の協力を維持する重要性を訴えていかなければならない。

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759750 0 社説 2019/08/24 05:00:00 2019/08/24 05:00:00

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