国際科学五輪 優れた才能を発掘し育てよう

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 各国の高校生らが科学分野の知力を競う国際科学五輪で、今年も日本の代表が好調だ。優れた才能を大きく育てたい。

 科学五輪は科目別の大会が毎年夏に開かれ、100か国以上が参加する。高校生向けの科学コンテストとしては世界最大級だ。日本はこの10年、毎回計約30人の代表を送っている。

 今年は、数学、化学、生物学、物理、情報で、日本代表の高校生全員が、成績上位者に与えられるメダルを獲得した。自分の力を発揮した生徒たちをたたえたい。

 科学五輪は、問題を深く掘り下げて本質を理解し、論理的に考える能力が問われる。代表の生徒たちは、国内合宿で大学の教員から指導を受け、本番に備える。五輪では、試験だけでなく、他国の代表と交流を深める機会がある。

 同じ分野に関心を持つ仲間との切磋琢磨せっさたくまや、外国の優秀な生徒との触れ合いは、得難い経験となっていることだろう。

 科学五輪に挑戦する国内の高校生は年々増加し、2万人を超えている。五輪を目指して学習に励む生徒たちは、将来、科学技術立国の担い手となる可能性がある。

 文部科学省は、代表の強化費などに約3億円を補助しているが、代表を選抜する試験作りや五輪への引率は、一部の大学の教員らがボランティアで行っている。科学五輪のさらなる普及に向けて、支援態勢の充実が欠かせない。

 科学五輪を通じて発掘した才能を、着実に伸ばしていくことも重要だ。大学の役割は大きい。

 東京大や慶応大などでは、推薦入試やAO入試で、国内の選抜大会の成績を考慮している。大学に進み、さらに専門分野の探究に努める五輪経験者は多い。

 大学には、学部段階から大学院の研究に参加させるなど、優れた才能に見合った教育を提供していくことが求められる。

 海外では、科学五輪経験者から数学のノーベル賞とも言われるフィールズ賞の受賞者が何人も出ている。日本でも、大学や企業で研究者となり、国際共同研究に取り組む経験者が現れ始めている。

 人工知能の開発、応用を手掛ける国内の新興企業には、国際情報五輪の経験者が数人在籍する。大手自動車メーカーと自動運転のシステムを共同開発したり、家庭で片づけを手伝うロボットの研究に取り組んだりしている。

 若い理数系人材が才能を発揮出来る場を広げることが、低迷する日本の科学技術力を復興させ、経済力の強化にもつながろう。

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762332 0 社説 2019/08/26 05:00:00 2019/08/26 05:00:00

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