待機児童 柔軟な発想でニーズに対応を

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 幼い子どもを預けたいという親の願いに、どう応えていくか。ニーズを踏まえた柔軟な発想が求められよう。

 厚生労働省によると、今年4月時点で、希望しても保育所に入れない待機児童は1万6772人だった。前年から3123人減り、2年連続で減少した。

 待機児童の多い都市部での受け皿整備が進んだ。自治体や企業が取り組みを加速させている効果が出てきているのだろう。

 人口減社会で現役世代の働き手が減っていく中、働く女性を増やす必要がある。そのためには、子どもを預けやすい環境を整える努力を重ねていかねばならない。

 実は、保育所などの受け入れ可能人数は約306万人で、申し込みの約278万人を上回る。それでも待機児童が解消しないのは、駅前など利用しやすい保育所に希望が集中し、そこから漏れる人が出ているためだ。

 対照的に、郊外や交通の便の良くない保育所には、定員を満たしていないところも少なくない。

 本来は宅地開発にあわせて、保育所を整備するのが望ましい。ところが現状は、子育て世代が増えた後から保育施設をつくるため、用地の確保に苦慮するケースが多い。その結果、保護者のニーズとのミスマッチが生じている。

 解決策として有効なのが、空きのある既存の保育所の利用を保護者に促す試みだ。

 東京都町田市は2017年から、駅前で子どもを預かり、郊外の保育所にバスで送迎する事業を始めた。保護者の送迎の負担を軽くするメリットがある。導入当初229人だった待機児童は、今春は127人に減った。

 同様の取り組みは約20自治体で行われている。参考にしたい。

 保育士の不足が受け皿整備に影を落としている面も見逃せない。人手が足りずに希望者を受け入れられない保育所が目立つ。

 賃金アップなど、保育士の待遇改善が欠かせない。勤務シフトを工夫するなど職場環境を見直して、保育士の資格を持ちながら、現場を離れている人たちの復帰を後押しすることも重要である。

 ただ、少子化が進む中、保育士を急激に増やすと、将来過剰になる可能性も指摘される。保育に加えて、介護などの資格もあれば、人材の有効活用につながる。

 フィンランドでは1990年代初頭、保育や介護など保健福祉分野にまたがる共通資格をつくった。高齢化も見据えた、中長期的な人材確保策も検討すべきだ。

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786744 0 社説 2019/09/10 05:00:00 2019/09/10 05:00:00

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